2018年6月2日土曜日
3Dプリンタモーター
https://fabcross.jp/news/2018/20180420_tuchemnitz_3dprinted_electricmotor.html
3Dプリンタで印刷できるモーターが登場した。ただ単に「できた」というだけでなく、セラミックで絶縁することで耐熱温度を飛躍的に高める可能性があるそうだ。
ここでは耐熱温度に関する議論はしない。もう一つの特徴である、「機構部品と機能部品の一体成形」のメリットについて考えてみる。
これは、材料と設計図さえあれば、機能部品を作ることができる、ということを意味している。この例ではモーターだけだが、それでも応用範囲は一気に広がる。モーターだけで成り立つ部品や製品を考えてみれば、それが分かる。
例えば時計。掃除機。洗濯機。換気扇。扇風機。エレベーター。ドライヤー。エアコン。冷蔵庫。チェーンソー。バリカン。電動ドライバー。髭剃り。電動歯ブラシ。義手・義足。自動ドア。電動自転車。厳密に言えばインジケーターランプなど他の機構部品も配慮する必要があるにせよ、こういったものが製造可能になるわけだ。
モーターだけではない。電磁調理器や電気ポットのような電熱器も、原理的に考えればこれで作れるはずだ。また、既成の部品を探す必要はなく、必要な部品は設計すればよいから、例えば幾らでも小さく、変形も自在なモーターを作ることもできる。配線も一体でできるし、ケーシングすら必要ない。これは、小ささや形状の自由度に貢献する。密閉も簡単だ。
なんでもないものにモーターを入れて付加価値を高める、ということもできるだろう。自動開閉するケースやノートPC、取りやすい位置に移動する電話台などだ。
また、上の記事では、最終的にできたパーツは焼結していたそうだ。これを考えると、刃やバネの焼入れもできそうだ。物凄く小さいバネ、鋏などもこれで作れるだろう。
問題は、3Dプリンターで作る価値があるのかどうか、というところだが、条件として二つ考えられる。第一は、アクセスが限られている状況において、必要機材の故障や、新たな道具が必要になった場合に備えることだ。宇宙船はその代表だが、そこまで極端でなくても、油田、離島、僻地、船舶などで一台設置しておくと、何かと便利だろう。
もう一つは、3Dプリンターで作らないとできない、あるいは経済的にマッチしない場合だ。特殊な形状の部品を使いたい、小さくしたい、といった要望の他に、カスタマイズしたいという要望が考えられる。これらの代表は身体障害者用の生活道具や義手などだろう。需要の主流はこちらになるはずだ。
病院で計測して設計図を作ってもらい、それをファブラボに持ち込めば翌日には完成して持って帰ることができる、なんてことも、もはや夢ではない。
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