2018年6月8日金曜日

CNFの飛躍


イギリスが、使い捨てプラスチックの禁止を決めたそうだ。

マイクロプラスチック、プラスチックビーズの問題は長らく解決策が見出されなかったが、これはその第一歩として評価できる。これが評価できる理由は、まさかそこまでするとは思わなかったからだ。

今や使い捨てプラスチックは便利過ぎて、ここまで大鉈を振るうことは想像できなかった。イギリスができるのなら他の国だってできるはずだ。また、そうなれば代替物産業が盛んになること請け合いである。何が盛んになるのだろう。

使い捨てが認められるのは、恐らくは木や紙などの植物性繊維であろう。もし生分解性/バイオマスプラスチックまで含めてしまったら、再生可能は実現できてもマイクロプラスチックの問題は解決できない。

しかし、木や紙は透明ではないので、透明性を要求される一部の用途では使用に耐えない。透明な植物性繊維として、セルロースナノファイバー(CNF)があるが、これはまだ実用域にない。例えば防湿性がなく、形状安定性も弱い。

透明性を要求される樹脂の用途として、PETボトルの代替があるが、それ以外に重要なのがPTPP包装がある。どちらも必須というわけではないので、当面は不透明なもので代替するのだろうが、食品包装(コンビニおにぎりやサンドイッチ)においては致命的だ。

湿気を防ぐには、複合材料化が必要である。しかし樹脂と混ぜることはこの主旨に合わない。アルミを貼る、ないしは蒸着することはできるが、これでは透明にならないし、再生可能性が落ちる。

セルロースナノファイバーを作るときに分離されるリグニンなどの樹脂成分を蒸着させる方法が開発されれば、かなり透明性は劣るが透湿性のあるものが作れるような気がする。他にも生分解性のある (本当にある)透明材料を探して貼り合せる、といった研究が進むのではないか。

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