2018年6月27日水曜日

ドローンヘリコプター


https://www.gizmodo.jp/2018/05/aacus-auto-pilot-military-helicopter.html

軍用ヘリが自動運転になった、というニュース。別に軍用だからといってドッグファイトができるわけでもあるまいが、それも時間の問題かもしれない。既にドローンではできてるじゃん、とは言えるのだが、こちらはGPSを使わなくてもよく、危険な場所でも着地場所を選んで降りられるのだそうだ。

ヘリコプターとドローンでは、制御はかなり異なる。ヘリコプターの方が調節が難しく、遅延もあるので、こちらの方が難しい。だからこそこのシステムの優秀さが際立つとも言えるのだが、将来的にはドローンの方が普及しそうだ。しかし完全な入れ替わりはない。

その理由はエネルギー効率や出力だ。ヘリコプターの方がエネルギー効率が高く、最大出力も大きい。エンジンが使えるためだ。速度が速く、距離が長く、急旋回など無茶も可能だ。用途限定でならドローンの出番はあるが、ヘリコプターが必要な場面もまだ残っており、軍事はその最右翼だろう。

だが、もしこれが融合したらどうだろう。つまり、メインローターはエンジンで、方向制御はモーターで行うのだ。これには大きなメリットがある。メインローターの作りが非常に単純になるのだ。

今のヘリコプターのメインローターは、ただ回転しているだけでなく、色々と角度調節をしている。テールローターは角度調節はできないが、回転速調整は行っている。これだけで姿勢制御をしているわけだ。しかし、方向制御をモーター(ドローン)で行えるなら、出力制御だけでよいことになる。

メインローターの角度調節のための機構が全部なくなれば、その構造は単純になり、重量も大幅に軽くなる。出力調整は高度の変更にのみ使い、他をモーターで行うなら、そこだけはフライ・バイ・ワイヤになり、操縦もドローン並みにシンプルになる。軍事用ヘリコプターで使っていたような重装備ではなく、ドローンの手軽さで操縦できることになる。

このドローンブレードは推力を担わないので、出力は弱くてよく、上を向いている必要もなく、数も任意でよい。機体の周囲に小さなものが3、4個、横向きについている、というものでもよいだろう。テールローターはあってもなくても良いが、その場合はドローンブレードの出力が左右異なるといったような形になるかもしれない。あるいは大型ヘリコプターのように前後二つの反転ブレードがあれば、テールローターは要らない。

また、メインローターを動かすエンジンは、当然発電も可能である。ドローンブレードのための充電式電池も小さくてよく、飛びながら充電ができるだろう。また、副次効果として、機体をあまり傾けずともよいので、乗り心地は良くなるだろう。

メインブレードの角度調節機構を節約するメリット、自動操縦が簡単になるメリットに対して、新たに姿勢制御用ドローンブレードが必要になるデメリットのどちらが優先するのかは設計してみなければ分からないが、上手くいけば、家庭用やタクシードローンの速度や稼働時間を大きく向上させることができる。検討してみる価値はあるだろう。

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