ここで言うサーバレスとは、Amazon AWS Lambdaのようなファンクションサービスである。つまり、オンラインサービスに関数を登録しておいて、使いたい時に呼び出すというものだ。ここで、その関数はいくら呼び出しても構わない。つまり、サーバ資源の容量を気にする必要はない。故に「サーバレス」という訳だ。(もちろん課金は掛かる。)
このサーバレスをDAPPSの上に載せてやる。当然ながら、実際にファンクションを実行するのはDAPPSを搭載したコンピュータ群だ。各々が別の思惑でサーバレスを使っていれば、使うタイミングはズレるはずだから、俯瞰して見れば計算機資源の平準化ができる。
クラウドサービスと何が違うのかと言えば、いわゆるDAPPSの強みとして、特定のメーカーや国に依存しなくなる点、ゼロ知識で使える点、大規模災害などのアクシデントに強い点が挙げられる。DAPPSでクラウドサービスを構成するというのも考えられなくはないが、そこまで計算機資源を空けておくというのは考えづらい。もしそれがあるなら、どちらかというと計算機資源の提供で儲けようとする輩だろう。それはそれであって良いサービスだが、ここで狙うものとは違う。
さて、単にDAPPSで実現するだけでなく、その実行マシンをある程度制御できたとしたら、面白いことが起きる。
以前Googleが考えていたシステムがあって、それは実行マシンを常に夜の地域で動かすような制御を行うというものだ。つまり、日中にデータセンタを動かすと、需要も多いし放熱も大変だが、地球の裏側で実行すれば計算機資源に余裕が生まれるし、冷却もやりやすくなる、というものだ。
この考えを応用する。DAPPSの仕組みとして、現地時計を基に、夜間に割当優先度を上げてやることで、これは簡単に実現できる。そうすると、これだけで二酸化炭素排出量の削減に貢献できる。
ファンクションというベーシックなサービスに特化すれば、複雑になりがちなDAPPSも作りやすいだろうし、軽量にできるだろう。その上にDBなりミドルなりをファンクションベースで構築してやれば、複雑なシステムもそのうち搭載できるようになるはずだ。
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