今後電子契約が増えていくと、その電子契約書の保管場所は問題になってくると思われる。というのは、今のコンピュータストレージはけっこう壊れやすいものであり、長期間そのデータを保持するのは意外に困難だからだ。
例えば、Google Driveに入れていれば良いだろう、などと考えているのでいれば甘い。Googleアカウントはある日突然BANされる危険があるし、操作ミスでうっかり消してしまう可能性もある。1年アクセスがないとアカウントが凍結され、更には消滅してしまうかもしれない。自宅のPCなどは更に危険である。ストレージが吹っ飛ぶ事故は日常茶飯事に起きているからだ。
基本的には個人の責任とはいえ、電子契約の保管は、実は紙の書類を保管するよりよほど考えてやらないといけないモノなのだ。
必要なのは以下のようなものだ。
- オンラインストレージであること。
- IDは国が管理する法的な根拠を持つものであり、作成も消去も行政手続きが必要なものであること。
- 無料であること。
- アクセス制御や署名手続きのUIを持つこと。
- 法的根拠のある書類の保管に限ること。
- 一度アップロードしたら容易に消去できないこと。
- クラウド側で多重化やバックアップなどを行い、数十年単位で消えないことを保証すること。
- 国際的な互換性を持つこと。
- プライバシー、セキュリティを十分に保てること。
- 最上級のサイバー攻撃耐性を持つこと。
こう考えると、マイナポータルを拡張するのが最適なのだが、どうもこの議論は全然進んでいないようだ。こういうインフラを国が用意してくれないと、電子契約もなかなか進まない。早急に検討してもらいたい。
一方、ブロックチェーンを使うというアイデアもある。DAPPSでストレージを作っているものは幾つかあるので、ここに保存するというものだ。
ただ、現在自分が知っているDAPPSの中では、自分の希望に叶うものはない。その条件とは、
- どこまでも無料であること。
- オープンソースであること。
- 既に稼働しており、ある程度の人数が使っていること。
- IDが汎用であること(特定の企業に依存しないものであること)。
などである。大抵のDAPPSストレージは、容量見合いで金銭を要求するものばかりだが、これはダメだ。容量見合いで計算機資源を要求するものであれば理に適う。こういうものが出現してくれれば良いのだが、誰か作ってくれないだろうか。
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