2018年11月15日木曜日
協調用AIの人間っぽいアーキテクチャ
別途「協調するAI」で考えたデルファイ法AIアーキテクチャだが、個々の専門家AIのインターフェースは汎用化する必要がある。そうしないと思うようにつながりを制御できない。
また、問題によっては中央は一つではなく、またその一部は協調でなく階層型のAIにする必要がある。これは階層と協調が入り混じった複雑なネットワークを構成することになる。これは現実の世界、現実の組織と似ている。
もう一つ、この専門家AIには、少なくとも三つのインターフェースが必要である。一つは質問そのものを受け付けるインターフェース、その答えを返すインターフェース、そしてデルファイ法による補足情報を受け付けるインターフェースだ。そしてこの三つともが、自然言語やデータファイルなど、あらゆる形態の情報を受け付け、返す必要がある。
専門家AIの最も難しいところはここだ。例えば前に出した例では画像認識AIがあるが、通常の画像認識AIのインターフェースは、フォーマットを固定した画像ファイルの入力と若干の制御、定形の配列を吐き出す口しかない。例えば制御を「学習モード」にして正解付きデータをひたすら読み込ませ、次に「判断モード」に切り替えて新たに画像を入れると「犬の確率10%、猫の確率20%、・・・」という意味の数字の羅列を吐き出す。
しかし、デルファイ法アーキテクチャでは、例えばSNSやメールのようなインターフェースをもって、質問を本文に、データを添付して送信し、返信もメールで、内容は人間が(かろうじて?)読めるテキスト文にする、といったものになるだろう。これはそういった意味でも人間に近いものだ。
AI同士の会話は自然言語経由になるかも知れないし、ファイルの構成について問い合わせに返信できるかもしれない。理解できないと回答拒否するなども含めて「人間っぽい」AIになる。
こうしないと、あらゆる問いに対して答えることができるAIにはならない。もちろん専門家だから大部分は「分からない」でも良いのだ。しかし専門分野であれば、曖昧な言葉に対してもしっかり答えなければならない。そういったAIが多数出現する世の中、それはある意味シュールなものになるのかもしれない。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
ロボットシェアリング&困窮者向けジョブマッチングモデル
近い将来、AIやロボットが発達することで、労働者の仕事が奪われる事態が起きる。頭脳労働では一部業界に既に起きている(イラスト、音楽等)が、これが肉体労働にまで進んでいく。例えばレストランのフロアスタッフは既にタッチパネル注文や配膳ロボットにより侵食されており、他にも徐々に複雑な仕...
人気の投稿:
-
ディーン・ケーメン氏が発明した浄水器「 スリングショット 」の原理は、いわゆる蒸留である。つまり水を沸騰させて水蒸気にした後、冷やして水に戻す。汚水と蒸留水の間で熱交換を行うことで効率を上げている。 日本では、防災用の浄水器としては中空糸膜や逆浸透膜が殆どだ。これと蒸留式には...
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
聞くところによれば、実用的な量子コンピュータの登場は2030年代半ばから後半(2035年〜2040年頃)が有力な予測とされているのだそうだ。これは、数百万qbit規模の量子コンピュータが開発される時期、という意味だ。 一方、従来の公開鍵暗号(RSAや楕円曲線暗号など)は量子攻...
-
近い将来、AIやロボットが発達することで、労働者の仕事が奪われる事態が起きる。頭脳労働では一部業界に既に起きている(イラスト、音楽等)が、これが肉体労働にまで進んでいく。例えばレストランのフロアスタッフは既にタッチパネル注文や配膳ロボットにより侵食されており、他にも徐々に複雑な仕...
-
「生成AIはミーハーである」の回でも少し触れたのだが、生成AIの回答は一次的には誤っていることが多い。それを指摘してAIが回答を修正していく様を見て楽しむ、というのが最近のマイブームだ。 どういう指摘をしているのか、と自己分析してみると、興味深いことに陰謀論者との議論とあま...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
高市首相は安倍氏と同じ積極財政論者で、就任直後からその方向に舵を切っている。プライマリバランスゼロ目標を事実上反故にし、戦争でもコロナでもないのにいきなり17兆円もの補正予算を組んだ。ちなみに安倍総理が初年度に打ち出した補正予算は10兆円であり、それと比べても突出している。 こ...
-
近年の世界的な右傾化、自国第一主義化について、その原因を生成AIと討論しながら考えた結果、そういう結論に達した、というお話。 まずトランプが未だに支持されている理由について議論したのだが、その理由はアメリカ白人低学歴層の貧困化だという。この白人貧困層は、人数的には数千万人と規...
-
免震構造については過去いくつか提案しているが、これの新しい版である。 以前、難燃性の油の上に浮かべた船の構造を提案したことがある。あれの砂版である。つまり、砂のプールを作っておいて、その上に浮かべるというものだ。砂が抵抗となって振動を軽減する。 ただし、油や水と違って砂の...
-
日本共産党が消費税減税案についてのサンデーモーニングの批判的なコメント(財源を示せ)に対し「財源を示した上で提言している」という反論をしている。そこで同じく、Grok3に計算してもらった。 日本共産党の提言は、2025年4月16日のものの他、幾つか出ている。そのおおよその方向性...

0 件のコメント:
コメントを投稿