2018年11月3日土曜日

デジタルレシートの形式


デジタルレシートは幾つか方式があり、実証実験も何回か行われている。しかし何れも普及していない。その大きな理由は、レジにおける決済のスピードを損ねることだ。レジでスマホを出してまごまごしていては、スーパーにとっては死活問題だが、作る方がここに命を掛けていない。

ここで考えられる最速の方法は二つある。一つはNFC、要はICカードのタッチによる方法。もう一つはレシートにQRコードを印刷して渡してしまう方法だ。このどちらかを採用しない限り、デジタルレシートは普及しないだろう。

前者は、店員の作業中に指定したICカードリーダーにタッチすればレシートは発行されないようにする。決済後即時にスマホにデータが転送される。この際、店員に「レシートを発行しますか」と聞かせてはいけない。作業中にタッチできなければレシートは発行されることをデフォルトとする。そうしないと手間が増えてしまう。

ICカードアプリケーションだけはインストールが必要で、会員登録を店舗毎にやるような愚は避けたい。このためには、アプリケーションをインストールした際にオンラインでIDを登録しておき、タッチした瞬間にそのIDとその決済が紐付くようにしてやる。後でそのアプリを操作すれば、オンラインで決済データが見られる、という段取りだ。

QRコードの方は、QRコード自体にデータを埋め込む方法と、URLを提示する方法がある。URLの方は、例えば一週間で消えるようにするなどの安全策が必要だろう。レシートの紙は無くならないが、後の管理は楽になる。

どちらかと言えば前者の方が有望だが、後者の方が簡単であり、判断には迷うところだ。いずれにしても、単にレシート保管の手間が省けるだけでなく、家計簿ソフトとの連携が可能になり、あるいは消費傾向分析のネタになる。それもマーケティング会社に売れるだろう。消費者にとっても好ましいことであるはずだ。

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