2017年5月12日金曜日

ロボットによる建築


まず建物の外側にあたる部分に足場を組んでやれば、以後の作業は、その足場を基にしてクレーンやロボットが動き回ることで、かなりの部分を自動で作ることができるのではないか、と考えた。この場合の足場は、天井より高い位置にトラスなどの骨格を作り、クレーンが内側の全空間にアクセスできるように作る。
ただ、幾つか問題はある。ロボットやクレーンを使うのなら、下から順に組んでいくのが正当だろうが、柱構造ではこれは困難だ。梁を張った後、それを横断してクレーンを動かすことはできないし、壁と屋根を作った後から内装を作ることもできない。日本の建築基準法で、柱になる構造物を使わなくてもよい建築方法は殆どない。また、基礎も問題だ。鉄筋を組むのは相応に職人技なので、クレーンとロボットで作れるかどうかは疑問だ。
そこで、この二つについては以下のようにする。まず基礎は従来同様に人間が作ることにする。次に柱を使わない作り方で作る。柱を使わずに作れる家の代表はログハウスだ。また、ログハウスの多くは内装が簡素だ。例えば断熱材や壁紙を貼ることはない。従って、ログハウスを基本に考えることにする。
問題になりそうなのは、ログの長さだ。ある程度以上大きな家だと、かなり長いログが必要になるし、多数のサイズが異なるログを組み合わせるための制御は大変だろう。通常は設計図に基づいて一本一本ログを指定サイズに加工するのだが、ここで考えるのは、同じサイズのログを管理せず大量に持ち込み、上から順番に取っていき、その場で継ぎ目を加工して設置する、という方法だ。
これは単純に、落とし込み陥合のためのホゾをその場でNC加工して作る、という作業になる。以前提案したようなエンジニアリングウッドであれば、加工くずは再度エンジニアリングウッドの材料となるため、掃除機内蔵のNCマシンで回収する。これで現場はきれいなままだ。落とし込み陥合の種類は2つで、1つは角の加工、もう一つは長さが足りない時の継ぎ足しである。
これで、材料さえ切らさなければ全自動で家を組める。騒音の問題はあるが、昼夜通して作ることも可能だろう。さすがに無人にするのは困難だろうが、少人数で対応できるはずだ。
尚、天井と屋根はさすがに難しいので、いきなり全自動にするのではなく、ここだけは職人に任せる必要があるだろう。その場合でも吊りのための足場があるので、ずっと簡単にできるはずだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

  VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...

人気の投稿: