2017年5月8日月曜日

超節水洗濯機


現状の市販されている節水洗濯機は、ためすすぎをするとか水の量を適切にするとか程度しかやっていないが、もっと極端に節水する洗濯機ができないだろうかと考えた。
これを考えた理由は、震災対応だ。一説によると、洗濯で使用する水の量は、一人当たりの水使用量の16%になるそうだ。このため、震災で水道が止まると、電気が使えたとしても洗濯ができない。これは辛いだろう。風呂には循環風呂という立派な節水術があるし、トイレにはコンポストトイレや非常用トイレなどの逃げ道もあるが、洗濯にはこれがない。
このための最も簡単な施策は、浄水器を内蔵する洗濯機、ということになる。洗いからすすぎに切り替わると、洗濯漕の水が順次浄化槽を通るようにしておき、徐々に水が綺麗になっていく。心配なら最後の1回だけ水道水を使うようにすればよい。後は浄水器の性能を用途に合わせて選ぶか調整するだけで済む。
究極には、洗濯機内に水タンクを持っておいて、(設置後最初は必要だが)以後はほぼ水無しで(若干の補充だけで)洗い続けられるものが欲しい。循環風呂の洗濯機版だ。風呂よりも浄化能力は高いものが必要だが、やっていることは変わらない。
問題となるのは浄水器の能力で、性能はもちろん、ある程度のスピードも必要である。まず、市販されている飲料水用の浄水器はほぼ全滅だ。数百リットルの浄水能力しかなく、あっというまにダメになってしまう。循環風呂用の浄水器も、そのままでは使えない。洗剤や柔軟剤などで相当に汚れた水を使うので、かなり強力なものが必要である。またその使用頻度からしても、何らかの薬剤を投入するタイプではダメだ。
浄水のタイプとして、大きくは微生物を使う浄化槽タイプ、フィルタを使うもの、沸騰浄水がある。洗濯機に使うには一長一短だが、ここでは沸騰浄水型を考えてみる。
汚れた水を沸騰させ、蒸気を冷やして再び水にするのがこのタイプの主要原理だ。この発熱を、そのまま乾燥に使えないか、と考えたわけだ。つまり、汚水と浄水のタンクを備えておき、脱水は全て汚水タンクに誘導する。その後乾燥に入ったとき、直接洗濯漕に熱風を吹き込むのではなく、汚水を沸騰させてその蒸気を洗濯漕廻りに誘導し、できた水を浄水タンクに戻すわけだ。こうすればエネルギーの節約になり、一石二鳥だ。
汚水タンクの汚れはどんどん凝縮されていくので、ある程度以上になったら廃棄する。それでも汚水タンクには汚れがこびりつくので、定期的に取り外して清掃する必要があるが、内側をツルツルに仕上げておくことでその頻度も抑えられる。あるいはスクラブ清掃なども考えられる。
タンクを二つ備える関係上、水を大量に使う縦型は困難で、ドラム式限定になるだろう。また当然、洗濯容量の割りにボディは大きくなってしまう。値段も上がる。だが、例えば1回の洗濯で使用する(汚水排水の結果補充の必要がある)水の量が2リットルで済むなら、一定の需要は望めるはずだ。
フィルタタイプの場合、タンクは一つでよい。まずタンクの水を洗濯漕に開放して、洗剤を投入して洗った後、すすぎの過程でフィルタを通して徐々に浄水していき、最後のすすぎ水の排水をタンクに戻せばよい。この場合はフィルタが高性能で長寿命且つ安価でなければならず、それなりにチャレンジになるだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

ダイナミック租税とその指標

今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...

人気の投稿: