2017年5月7日日曜日

縦翼機


飛行機の翼は左右についている。これは鳥でも虫でも同じだ。だが、羽の役割だけを考えるなら、左右についている必然性はない。揚力と方向制御さえできれば、どこについていても問題ないはずだ。
エアタクシーのように、少人数が乗れるドローンを考えた場合、左右に展開される翼は邪魔になる。幅が必要だし、折り畳みにすると付け根の強度が心配になる。しかし前後、上下に展開できる羽ならどうだろう。展開しても左右の邪魔にならない。
そこで考えるのがこんな飛行機だ。普段は軽トラックのような形状で、羽は荷台に仕舞われている。飛びたいときは、羽を展開する。クレーンのように伸びるポールが車幅いっぱいの左右に仕込まれていて、これを上ないしは斜め前方に伸ばす。このポールの間には、定間隔で離れた羽が挟まっている。要は複葉機の羽だが、羽の数は必要揚力に合わせて増やす。推進は、普通の小型飛行機と同じくプロペラである。
ポールの角度や伸縮度合いを変えることで向きを変える。形状からして速度は期待できないが、車がメインで緊急避難的に飛ぶだけなら充分だろう。
ここで問題になりそうなのは重量バランスだ。羽が揚力を生み出し、搭乗部がぶら下がっている状態において、前への推進力が下にあるというのは確かに難しい気がする。これを解決するには、飛び上がったら下にも展開するか、あるいは上下ではなく前後に展開するということが考えられる。
用途だが、人が乗るだけでなく、従来のドローンでは困難な10kg~50kg程度の荷物を中距離(数km~十数km)運ぶのにも便利だ。大げさな滑走路を使わずとも、一般道や私道を使って離発着ができるとなれば、運送業者での使用や僻地での使用に役立つ。

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