2017年5月28日日曜日

変身


アイカツシステムより更に困難を極めるのが「変身」だ。変身のためのシステムがベルトとか指輪とかに押し込められている設定だから。正直な話、指輪は無理だ。ベルトでもかなり厳しい。変わったところではヘルメット(破裏拳ポリマー)があったが、やはり衣装を仕舞っておくスペースとしては厳しい。
スパイ物(007など)では上着の裏地に別の服の表地を縫い付けたようなものはあった。「ウルトラマン」の科学特捜隊のスーツのズボンは折り目のついたフォーマルなものだが、ジッパーで横が空くようになっていて、数秒で脱ぐことができる。その下は、あのオレンジ色の隊員服を始めから着ていた。ジャケットを脱いで手袋をしてヘルメットを被れば完成だ。
考えてみると、スーパーマンもスパイダーマンも、あらかじめコスチュームを下に着ていて、上を脱ぐものだった。であるなら、これを前提にして、直ぐに脱げるように加工した普段着を着ておく、というのが合理的なように思える。
脱いだ服をどうするか、また普段はしない手袋やヘルメットはどうするか、と言う問題は残る。スーパーマンの場合はケープのポケットにスーパーパワーで押し込めておく(!)のだそうだ。スパイダーマンはあの糸で絡めておいて目立たないところに貼り付け、後で取りに来るのだろう。どちらもその特殊能力が前提なので、一般人には難しい。
それらを総合して考えたのが、こんな仕様だ。
まず、ヒーローだから、普段はジーパンに革ジャケットだろう。ブーツは最初から履いておき、ジーパンを上から被せれば目立たない。そのジーパンは、実はマジックで使うフラッシュペーパーでできている。そしてジャケットの裏地は、ヒーロースーツになっている。つまり、下半身には火をつけて一瞬で消し去り、上はジャケットを裏返して着直す。手袋はジャケットの裏(ヒーロースーツ側)に仕込まれているので、裏返す際に取り外してはめる。ジーパンの予備は小さく折り畳まれてポケットに入っている。
残るはヘルメットだ。これは最初から帽子(ないしはかつら)を被っておいて、ジャケットと同じ原理で裏返す。裏には顔を隠す布地と、その布地の形を保持する針金が仕込んである。針金は形状記憶合金でできており、バッテリで電気を流すと発熱して、記憶していた形に戻る。
変身解除は逆で、帽子をひっくり返して被り直す。針金は常温に戻っているので頭の形に曲がり、元に収まる。手袋を脱いでジャケットの表(ヒーロー側)に仕込み、裏返して着なおす。ジーパンはポケットから出して上から履く。
一瞬とは言わないが、これなら15秒以内に変身できるように思う。フラッシュで目くらましをした隙に、くらいはイケるかもしれない。考えてみると意外とできるものだ。ただ欠点が一つ。タバコの火など、ちょっとしたアクシデントでジーパンが一瞬で脱げてしまうと恥ずかしい。

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