2018年8月16日木曜日
AIオーケストラ団員
今や打ち込みだけでフルオーケストラ演奏が可能な時代ではあるが、たぶんに機械的な音しか出せないのが現状だろう。一人ひとりがインテリジェントな演奏者と指揮者という組み合わせは、打ち込みで再現することは可能にしても、その手間は膨大になってしまう。
そこで、基本的な楽譜だけは作っておいて、AI演奏者を前に指揮棒を振ることで微妙なニュアンスを付けて完成に至らしめる、という方法が考えられるわけだ。
指揮者にVRゴーグルをかぶってもらうか、マルチカメラと半球型スクリーンによるか、などで入力をする。当然見える範囲には相当する人型のAI演奏者がいて、指揮に合わせて演奏し、音もそこから聞こえるようにする。
ここで問題なのは、AI演奏者のインテリジェント具合だ。考えてみれば、指揮者の振りに合わせて強弱やテンポを微妙に変えたり、途中で止めて音声で指示をしたり(練習において)というのは、全て画像と音声に頼ることになる。
指揮の認識AIは共通にしておいて、個々の演奏者に対する指示は個別に学習する、というような構成のアーキテクチャが必要になるのだろう。また、このためには多少AIに合わせる(指揮の方法をAIに分かりやすいように変える)ということも考えてよいかもしれない。
これは相当に高度なことだ。簡単には実現できないだろう。しかし、もしこのAIができれば、楽器編成は思いのままだし、誰でも最高品質の演奏者を使えることになる。たとえそれがシンセサイザーだったとしても、音楽の品質を底上げするには十分に貢献するはずだ。
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