2018年8月22日水曜日
学校用E-Ink端末のスペック
教育でのタブレットの使用を考える際、充電の問題は結構深刻だ。端末の台数が1クラス30台、6年で180台、3クラスなら540台、これを学校で充電する必要がある。専用の充電器が何十台と必要だ。一方でE-Inkを使う電子書籍端末なら、週末に持って帰って自宅で充電してもらえばよい。
E-Inkでは動画や高速な応答はできないが、そもそも教科書の代わりとして使うのならさほど障害にはならないはずだ。それに軽い。今の電子教科書はタブレット前提だが、E-Ink前提で考え直してもらえないものだろうか。
そのためには、三つ条件がある。一つは大画面化。今の6インチ程度のものではダメだ。せめて12インチ、できれば15インチくらいは欲しい。できれば折りたたみがよい。二つ目は頑丈にすることだ。落としても壊れないようにしてほしいし、防水もほしい。子供が扱うにはそのくらいは当たり前だ。三つ目は保証期間6年。小学校で1台、中高で1台。学校で持つなら毎年買い換えるのは一学年分だ。
教科書の内容を単にPDFにして映せばよいだけなので、複雑な機構は不要だ。メモリも最小限でよい。余計な端子も不要だ。折りたたみ時A5サイズ、見開きでA4サイズ、ペン対応。他、外装とディスプレイ表面、蝶番、バッテリーは、交換容易にしておく。
可能であれば、BluetoothかWiFiが欲しい。但し低電力であることが条件だ。例えば、この教科書を一時的にテスト端末にすることが可能になる。先生がボタン一つ押すだけでテストが表示され、時間になったら自動でデータだけ回収される。
データは全てクラウドに回収され、配布するPDFも全部オンラインで管理されるから、学校はペーパーレスになる。必要なデータは親もクラウドアクセスで見れるようにする。もちろん子供の端末にも入っているので、ネットにアクセスできない人はそれを見ればよい。
逆に、親からの提出物がある場合は、テストと同じ要領で、親が端末に書き込むことができる。それを学校に持っていってデータをアップすると完了する。同じことはクラウドアクセスでもできるようにする。
これを、例えばChrome OS用Webアプリとして作りこんでやる。すると、E-Ink端末はChromebookであればよい、ということになる。ログインはデバイスで行うようにすれば(例えばキーホルダーNFC)、パスワード暗記の問題はないだろう。
今入手可能なE-Ink端末で、これを満たすものはない。ただ、殆どの仕掛けはソフトウェアである。これさえ先にあれば、当面は普通のタブレットでも代用できる。ここまで簡単にすれば使わない理由はないと思うのだが、いかがだろうか。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
注目の投稿:
ダイナミック租税とその指標
今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...
人気の投稿:
-
ハクキンカイロの発熱原理を調べていて、これを防災用(キャンプ用でも良いのだが)の湯沸しに使えないかと考えた。 普通、キャンプではガスコンロを持っていく。だがあれは裸火を使うから、熱効率は悪い。これに対してハクキンカイロの仕掛けは、白金触媒を適切な場所に配することで、極...
-
科学者、医者等であっても発言が必ずしも科学的とは限らない。無自覚ならまだ可愛いが、むしろ素人を煙に巻く悪意すら感じることもある。 量的議論がそのひとつであることは言うまでもないが、もっと以前の問題として、論理が破綻していることの多さがある。 そのひとつとして、ス...
-
新型コロナウィルスへの対応で、医療機関の防護服やマスクが足りないことが話題だ。ゴーグルは違うが、その他は使い捨てであるところがネックになっている。作っても作っても、消費の方が激しい訳だ。しかし考えてみれば、そもそも何で使い捨てなんだろう。細菌兵器用の防護服は使い捨てではない...
-
ガートナーが出しているハイプサイクルによると、生成AIはまだ幻滅期の手前にいるらしい。つまり今後大きな幻滅を経て実用域に進んでいくことになる。その幻滅とは、人間なら当たり前にできることでまだ生成AIにできないことが多く分かってくることによる。そしてその幻滅期を乗り越えるのは、...
-
時代が進むことで、昔のSFが奇異に思えるようなことはよくある。抑揚のないコンピュータ音声や、わざとぎこちなく歩く人間型ロボットなどは、もはや過去の遺物である。スタートレックシリーズに出てくるトリコーダーもその一つだ。 トリコーダー本体、また医療用プローブを手に持って...
-
生成AIを使って作成されたイラストに対する極端な非難が相次いでいる。そのどれもが、ちょっと行き過ぎに思える。例えば、事前にAIであることを知らせているもの、絵を描いている本人が確認し承諾したものまでも非難されている。なぜこんなに過剰な反応をするのだろう。単にノイジーマイノリティの...
-
卓上カレンダーのようなものを机に置いておいて、必要に応じてテレビ電話やフォトフレーム、緊急通報など、家で必要とされる様々な機能を集約する機械を考えてみる。 これは、従来は電話やFAXのような位置づけだったものだ。これら以外にも一家に一台の情報機器は考えられるので、それを切り替え...
-
コロナ禍ではあまり本ブログを更新しなかったが、この間は陰謀論が跋扈した時期でもあった。コロナは存在しない、ワクチンは危険、アビガン買いだめ、マスクは意味がないなど、実に様々な陰謀論が飛び交った。 この手の人は今だに存在しており、体感としてはむしろ増えている。それも、身の危険を...
-
自分の知る限りでは、VRChatのワールドで青空文庫が読める図書館があったのと、N高の教室メタバースくらいしかマトモな例がないのが、メタバース内で本を読む方法だ。本や書類がメタバース内で苦も無く読めるようになれば、電子書籍も含めて全部メタバース内に落としてしまいたい、とすら思っ...
-
映画と言えば、今でも娯楽のジャンルの一つとして確立したものではあるが、近年では衰退の兆しがある。そのたびに3DやCGなどのテコ入れが入ってきたわけであるが、ここにきて更に新しい提案ができるようになった。それがタイトルにあるインタラクティブ性の導入である。 とは言っても、...
0 件のコメント:
コメントを投稿