2018年8月18日土曜日
内閣府用デジタルペーパー
国会の答弁を見ていて、国の書類の管理はどうなっているのだ、と思った人も多いだろう。一方で「シン・ゴジラ」を見て、コピー機がガーっと並べられる様や、遅滞なく書類を渡している場面などを見ると、「電子化されてないなあ」とも感じる。
ただ、ああいう場面においては紙とコピー機の力は偉大で、タブレットなどはまだまだ使い物にならない、というのも分かる。その場にいる全員に同じ書類を渡す、これだけでも全然話にならない。スピード感が違うのだ。
閣僚に一人一台のタブレットを割り当て、普段は事務官に持たせるものとして、このような場面で使い物になり、且つ国民に説明可能なシステムになるためには何が必要なのだろうかと考えてみる。
まず第一に、A4程度の画面サイズが必要である。次に閣僚が長時間持っても苦にならない軽さ。バッテリ持続時間はそれほど長くなくてもよい。ページめくりの速さは今より数倍速くないと困る。もちろん無線データ接続は必須だ。
仮に、iPad Proの12.7インチモデルを設定してみる。重量は677g。片手で持つにはちょいと重い。キャノンのデジタルペーパー DPT-RP1は13.3型で349g。これなら何とかなる。カラーや動画が出せないが。
ただ、ソフトは工夫が必要だ。背後の事務次官が自由に操作できるようにするのが基本方針である。例えば事務次官にはiPadを持たせておいて、ここから転送するのには端末側でいちいち承認をとることはしないとか、表示を強制的に制御するなどだ。
その場で書類を配布する必要もある。これも事務次官同士でやり取りが必要だ。部屋の中にある事務次官用端末を認識して、スライドして資料を送りつけるような機能も欲しいし、その場でiPadのカメラで資料を撮影するなども必要だろう。
端末も操作タブレットも、常に予備の一台が必要だ。故障や遅滞は許されないからだ。このために、物理的セキュリティには若干目をつぶる必要がある。
操作の記録(ログ)は全てサーバに送られる。つまり、誰に何を見せたか、どのページを見たかなどは記録される。時系列で会議名を後付けして出席者も自動で記録。OCRもサーバでどんどん行う。資料の改ざん防止措置もこの時点で行ってしまう。
こういうシステムがあったら、内閣だけでなく一般の会社であっても、エグゼクティブ級の会議には非常に役に立つと思う。エグゼクティブでなくとも、会議室に多数のデジタルペーパーと一台の制御タブレットがある、という風にしておけば、一般の会議でもペーパーレスが推進できそうな気がする。
要は、まだまだUIやUXには改善の余地がある、ということだ。
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