2018年8月1日水曜日

個人用自販機


あるいは家庭用自販機、とでも言おうか。自宅のすぐ脇にあって、品揃えが少数多種、単に飲み物だけでなく、生鮮品や惣菜などもラインナップに加え、複数台並べて簡易コンビニ的に使用する。

自販機コンビニと似ているが、大きく違うのは次の通りだ。
  1. 品揃えはカスタマイズできる。
  2. 少量多品種は更に徹底される。
  3. 専用のプリペイドカード等で安く買える。値付けは近所のスーパー等と連動する(十分に安い)。
  4. 販売データは共有される。
  5. 補充はロボットが行う。
似たような仕掛けとしてはコンビニがあるが、コンビニはあくまで不特定多数がターゲットだ。こちらは個人、あるいはごく狭い地域がターゲットである。コンビニよりも更に個に特化したシステムだ。

非常に極端な話として、自宅の壁にこれが埋め込まれている例を考える。外側からは業者のロボットが補充できるようになっている。内側は室内だ。契約に基づいているので自動引き落としである。

これは、冷蔵庫やストック倉庫と殆ど同じ意味を持っている。もしこういう設備があれば、冷蔵庫自体は小さいものでよい。開封する時に初めて買えばよいから、冷蔵庫は常に使いかけのものしかなくてよいからだ。

また、スーパーで選びながら買うのではなく、例えばしょうゆならこのブランド、と決めておくことで、余計な商品が置かれることはない。ほぼ必要なものばかりが並んでいるし、一度買えばしばらく買わないようなものは一旦消える。ラインナップにないものがあれば、リクエストすれば翌日には入荷している。

これなら、日々の買い物は自宅から出なくて良いし、ネットスーパーのように気合を入れて(送料が無料になるように)品を選ぶ必要もない。時間指定で自宅に待機することもない。

ユーザー体験は最高だが、実現には遠い壁がある。それはコストと販売予測だ。相手が少なければ少ないほど、その精度は高いものが要求されるし、機器にも配送にもコストが掛かる。

これに対し、AIと配送ロボットを使うことで、この問題を低減することは可能だろう。このシステムでは店舗を持つ必要がないため、カタログ通販の延長として、仮想スーパーが参入するかもしれない。

配送量ゼロの少額ネットスーパーの新形態としての普及も期待できるが、品物を能動的に揃えるのか、AIが勝手に考えた中からその場で選ぶのか、ではだいぶ体験が違う。例えばマンションにコンビニを誘致するのが困難な場合にこれで代替する、というような発想は、あってもよいのではないか。

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