2018年8月6日月曜日
無人電車
車の自動運転ができるなら、電車の自動運転の方が遥かに簡単なはずだ、というのは、誰しもが思うことだ。だがこれは殆ど行われていない。
自動車と大きく異なるのは、乗客の乗り降りを制御するところだ。だがこれはこれで技術開発可能である。後は電車内でのアクシデントだが、これも遠隔監視があればそれほど難しいとは思えない。
電車には自動車(自動運転車)にはない特徴があるが、それは①渋滞がない、②高速で移動できる、③大量に運べる、④エネルギー効率が高い、という点だ。自動車と電車は共存可能なはずだ。
考えるのは、都心ではなく地方の電車である。駅と自宅、駅と目的地までの間は自動運転車で、駅間は電車で移動する。地方都市でこの何に不満があるかを解決できれば、都市が活性化する可能性はある。
その一つは、間違いなく時間間隔だろう。一度電車を逃すと一旦家に帰ってお茶を飲んで再度、などという間隔ではなく、いつでも飛び乗って好きなところに行ける程度の間隔、例えば15分間隔で動き、更には混雑で乗り損ねたら予備の電車が出動する、という前提ならどうだろう。
あるいは、センサで呼べるとしたら。つまりホームに着いたら15分以内に電車が来ることが保証されるとしたら。
従来型の電車では採算が合わないことは間違いない。そこで、電車の方にも工夫が必要になる。それは車両の小型軽量化だ。長さを短くするだけでなく、単線を複線化して幅を半分にする、といったことも検討できるだろう。車体もFRPなどで軽量化する。その前提では台車も軽量化できるだろう。例えば車輪を非金属で作ることもありうるだろう。
勿論自動運転をするので、運転手と車掌が不要になる。運転計画も含めて自動なので、トラブル対応以外は完全に無人にできる。プライベートモードを指定して、他人が乗り込めないようにすることもできる。これはセキュリティ対策としても有効だろう。その際は更に小さい車両を使うことができる。
通常の電車の一車両当たりの定員を140人として、車長半分、車幅半分の電車を作ってみる。単線を複線にする前提だ。この電車の定員は20~25人程度になる。これはマイクロバスと同程度だ。ただ、マイクロバスより座席数は少なく、立ち席(つり革手すり)も含まれる。実際に乗るのは5~10人程度だろう。
更に小さいプライベートモード専用車はその半分で、定員は10名程度。座れるのはその半分程度だ。同時に乗る人数に関わらず一台貸切の値段とする。同区間をタクシーで走るよりは安く設定する。
後は採算に乗るかどうかだが、恐らく車両のランニングコストが決め手になるはずだ。それこそ遊園地のゴンドラに使うようなFRPという手もあるが、あれよりはずっと速度が出せないといけない。しかし従来の電車と同等では高くつき過ぎる。路線によっても違いが出るはずだ。どう折り合いを付けていくかが悩ましいところだろう。
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