2018年8月28日火曜日

ゴミ捨て場としての月


テレビシリーズ「スペース1999」の設定は、月に捨てた核廃棄物が爆発して、月が軌道を離れて宇宙に放り出される、というものだった。

核廃棄物を宇宙に放り出してしまえ、という議論は度々あるが、都度却下されている。まず量が多すぎるし、万一打ち上げに失敗すれば核廃棄物が撒き散らされてしまうからだ。しかし遠い将来、宇宙へ行くのが簡単で安全になるなら、何れはそういうことになるだろう。

その際、太陽に向けて飛ばしてしまえ、外宇宙に向けて飛ばしてしまえ、という発想もあるだろうが、月に保管したらどうだ、というのもまた一案である。将来的に再度必要になったときに備えて、全く再利用の可能性のない捨て方よりもそちらの方が、とも考えられる。また、月で発電してエネルギーだけ貰い、核燃料はそこら辺に放り出しておくだけ、ということだって考えられる。

月の裏側に落としてそれを回収する、またロボットが対応するので放射線はそれほど気にしなくて良い、というのであれば、色々と方法はある。それこそ熱電対でも良いし、スターリングエンジンでもよい。

あるいは、その放射線あるいは宇宙放射線の照射によって変質する物質は幾らかあるだろうが、これが有毒物を無毒化するような方向にできないだろうか。地上だと制限が厳しいが、月の裏側なら放射性物質との距離だけとってやれば自在に近づけられる。それこそロープを通してやって両側で引けばよいのだ。

放射線と真空を最大限に利用できる実験場、という位置付けの仕方もできるだろう。単にごみ捨てだけでなく科学に貢献するというのは至極興味がある応用だと思う。

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