2018年8月19日日曜日

AIスカウト


https://www.mugendai-web.jp/archives/8605

Spotifyに登録している膨大な音楽家を、AIで発掘しようとする試みだそうだ。

ここでの肝は、先に発掘したい人のイメージがあって、それに合う人をAIが探し出した、というところだ。考えてみれば、有力者に見出してもらうことの困難さは今まで常にあった。偶然の出会いが云々などというのも、その一つと言える。

ビジネスでもそうだ。エレベータートークとか懇親会でのアピールとかいうものも、中身ではなく出会いを求めてのものだと言える。今までの感覚で言えばこれは重要だった。なぜなら有力者の時間は限られていて、いくら有能でも知ってもらえなければ始まらないからだ。

これはある種不公平だとも言える。プレゼンが上手ならば中身が多少悪くてもよい、あるいは車椅子のためエレベータートークができない、英語が喋れない、だけど中身は良い、という人を拾えないからだ。しかしAIなら、どんなに膨大な選択肢があっても、疲れず恣意もかけずに、最適な人を選ぶことができる。

一方、音楽家側も、座して待っていれば適切な人にめぐり合えることが保証されるのなら、中身の研鑽に励み、プレゼンやら語学研修やらに時間を割く必要はない、となれば、これは双方にとって有益なことではないだろうか。

そしてこれはスカウトに限らず、あらゆるビジネス、それもプロジェクト単位での人選に影響を及ぼす。同じ会社の中でなら、リーダーの声のデカさに左右されずに人材の配置を最適化することもできる。

ジョブマッチングでもそうだが、こちらは報酬の最適化という特典も付くだろう。これはフリーランスにとっては魅力的だ。安く買い叩かれることが無くなるし、信用信頼を得るためのタダ働きも必要ない。そしてこれは雇い主にとっても、余計な心配や交渉ネタにならないから気が楽だ。

結果として、社会全体が最適化され、フリーランスが増えるきっかけになるかもしれない。AIスカウトはもっと研究されてよい分野だと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

超音波モーターの原理によるVR用トレッドミル

  VRにおけるリアリティ問題の一つに、その場で動くのではなく移動する場合、つまり歩いたり走ったりすることが挙げられる。実際にはその場にいるので、歩いたかのように足場を調節してやる必要がある。 これを実現する方法として、すり鉢状の滑りやすい足場を作っておく方法と、トレッドミルを使...

人気の投稿: