2019年5月8日水曜日

ストレスの解消こそが動機


トランプが当選した時、当選しないだろうと思っていた。ブレグジットも、絶対回避されると思っていた。ギリシャの選挙もそうだった。世の中は右傾化している、と考えていたのだが、最近は少し考えが変わった。

よくある話だが、国が苦しくなると外国に敵を求めてそれを叩くようになる。戦争の基本的原理だが、今の時代はそう簡単に戦争は起こせない。貿易の関係は複雑になっていて、回り回って同盟国や自分自身の損害になりかねないからだ。そんな中で何ができるのかと言えば、「ストレスの解消」だ。

一言で言うなら、勝ち馬に乗って弱者を虐める行為である。戦争にならない範囲で、お互いを罵り合う。それ自体はストレスを解消するが、言い返されればまたストレスが溜まる。また罵る。その繰り返し。だが決して危険な水準にまではエスカレートしない。

それは、本当のエリートがギリギリで抑えてくれているからなのだが、一般大衆は呑気に構えていて、戦争になるはずがない、なってもどこかで落ち着くだろう、負けはしない、などと思っている。これは何年か続いた後、景気が回復すれば自然消滅する。

もしかしたら、低成長時代の新たなストレス解消法なのかも知れない、とすら思う。やや無茶をして怪我して、しかし致命傷は負わない。大人に守られた世界での子供のケンカ。もしそうだとしたら、なんとレベルの低いことか。そうではないことを祈る。

0 件のコメント:

コメントを投稿

注目の投稿:

ダイナミック租税とその指標

今の法律では、税率は一定の計算式で表されるが、そのパラメータは固定である。需要と供給のバランスによって商品の価格を変えるダイナミックプライシングというのがあるが、あれを租税にも適用してはどうかと考えてみた。 納税者の声をベースにして様々な租税や補助金を自動調節して、どこか一箇所...

人気の投稿: