2019年5月1日水曜日

半3Dプリンタ住宅


3Dプリンタで住宅を作る試みは、幾つか行われている。軍事用のトーチを作ろうというような物騒なものから、

https://techable.jp/archives/95328

のようにボランティア的なものまで様々だ。

だがどうも、その出来栄えについては不満がある。ノズルが大き過ぎる=解像度が大き過ぎて凸凹が酷い、要は綺麗じゃないのだ。もっと綺麗にしたいし、何も全てを一から作らなくても良いのではないか。以下、システムを考えてみる。

まず、「壁ブロック」を作る。これは、コンクリートブロック程度の大きさだが中身は詰まっておらず、2枚の木質樹脂製の板がナイロン糸で繋がっているだけのものだ。重ねて保管できるが、板同士を離すとナイロン糸の間隔で止まる(位置決め)。この隙間にコンクリートを充填すると、コンクリートブロック相当になる。板の素材は、外壁材を兼ねるものと内装用のバリエーションを揃える。

3Dプリンタにはこの壁ブロックを並べるロボットが併設されていて、並べる度に充填する。板だけだと位置決めができないが、広げて並べながらアームで固定し、端からコンクリートを充填していく。

こうして壁を作っていくが、ブロックのサイズに合わない半端なサイズや角の部分では、木質樹脂を吐き出す第二の3Dプリンタが壁を作る。この第二のノズルはコンクリート用ノズルより細かく、精度が高い。また樹脂なので、吐き出すと直ぐに固化する。これによって、壁ブロックと同等の空間ができるので、またその隙間にコンクリートを充填する。

更に、充填が終わったコンクリートには、樹脂の棒を突き刺す。これで横方向の引っ張り耐性を出す(鉄筋の代わり)。これを繰り返す。

壁は勿論、コンクリートの粘度を調整することで、切妻屋根までを一体で作ることが可能になるはずだ。但し二階の床はできないので平屋向きだ。コンクリートに発泡ガラスを混ぜ込むなどで、断熱性と軽量化を図ることもできるだろう。

従来のプレハブと比べると、大型の材料がないため、運搬への制約が少なくなる。最初の3Dプリンタの設置だけが大仕事だが、それさえ済めば後は材料の補充だけで最後まで全自動でできる。騒音もそんなにしないだろうから、条件さえ合えば夜通し作ることも可能になるだろう。

これで、コンクリート住宅が木造住宅並みに安く早く作れるようになれば、また生活事情も変わってくるのではないだろうか。

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