2019年5月10日金曜日

はい


先日、Googleフォトが、書類の自動認識に対応したという話を聞いた。これらは市販のソフトでもできていたことだが、普通に写真を撮って自動保存した背後でそういうサービスが動くとなると、アクションが減って便利だ。この手の便利サービスは、他にまだまだ考えられるのではないか。

例えば、運動会の様子を監視カメラで撮影しておくだけで、自動的に誰がどの競技で何番になったか、その結果赤組と白組は何点になったか、を記録するようなものだ。これは今、オリンピック等で同等のものが存在するので、それを汎用化すればよい。

野球でも類似のものがあるが、それを高校野球やアマチュアに展開するのも良い。この手のスポーツ向けの技術は、他にも山とあるはずだ。ビジネスでも色々考えられる。

ここで、この機能が重要だと思うことには訳がある。以前も検討したように、人間の多くの仕事はAIやロボットで置き換えられる可能性が高いのだが、ここでAIとロボットでは大きな敷居があるのだ。

つまり、AIまでは簡単でも、ロボットが人間の仕事に完全に入れ替わるのには様々なハードルがある。代表的には安全性の評価や対人業務だ。そこで、実際には人間に仕事をさせつつも、AIがそれを監視する、必要に応じて人間に指示する、ということが、これでできるのではないだろうか。

例えば、アルバイトの高校生には無線イヤホンを常に付けるように指示する。人間としての指示はこれだけだ。実際に指示をするのは、店舗や工場のあちこちに配置されたカメラでそのアルバイトを見ているAIだ。

アルバイトはイヤホンからの指示に従って動くだけ。アルバイトの経験値に応じてその指示は抽象化するが、素人では具体化する。そのさじ加減もAIが行う。動きが遅いときや叱咤し、上手くできれば褒めるところまでもAIがやる。評価もついでにやってもらおう。モチベーション管理も含めて、AIにお任せである。

こうすると、ロボットを導入せずとも生産性を上げることができる。人はAIに使われるのが面白くないかもしれないが、ロボットに置き換えられるよりはマシだろう。ある意味Win-Winである。

星新一のショートショートに「はい」というのがある。一生イヤホンを付けて、AIに指示される通りに動いていれば安心、というお話だ。一生はともかく、アルバイト程度の時間であれば、これも悪くないかもしれない。

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