2019年5月15日水曜日

新クラウドOS


今のパブリッククラウドは、仮想マシンやコンテナベースか、あるいはストレージベース、ファンクションベースなどでバラバラだが、これらを纏めてOSのように見せるソフトがあっても良いように思う。例えばこんなものだ。
  1. ネットワークログインすることで使用する、Web OS。ストレージ容量やスピードなど、個々の資源をユーザが個別制御することはなく、定額の範囲内で自動調整する。例えば、同じ料金でストレージを多く使うとスピードが遅くなる。例えば、度を越えて大量にストレージを消費すると、回線もCPUも遅くなり、事実上使えなくなる。
  2. この調整は、いわゆるリアルタイムプライシングで行う。つまり、サーバ側のコストが下がれば、同じ料金でも使い勝手が向上する。
  3. 定額以外にも、負荷増大警告や、負荷追従課金などのオプションがある。
  4. 使えるアプリケーションは、全てストアにある。インストールは不要で、どれでもいつでも使うことができる。課金体系はまちまちで、都度加算されるものもあれば、定額のもの、売り切りのものなどがある。もちろん無料のもの、定額に含まれるものもある。
  5. ストアのアプリケーションは、背後でスケールアウトや多重化、トランザクションなどの機能をOSから提供され、スピードや信頼性を確保されるが、それはユーザには見えない。つまり、カネさえ掛ければ、クラウド側の資源が許す限り、幾らでも性能が上がる。
  6. もちろんOS自身もスケールアウトや多重化などを施してあり、信頼性もスピードも保障される。
  7. OSはオンプレミスでも実行できる。基本的には疎結合ヘテロジニアスなサーバ群にOSレベルでインストールするものであり、それ自身が耐攻撃性や自己修復性、ハードウェアの変更などに対応する。サーバの数や性能、ネットワークの信頼性や性能などを自動認識し、自身を最適化する。
  8. OSが提供するのは、複数の種類のストレージとファンクション、及びオブジェクトである。全てのアプリケーション及びミドルウェアはこれを前提として構築される。例えばDBやAIなどもこれをベースとして作られる。
  9. OSが提供する機能は自動スケールアウトが前提なので、課金などプロファイルでの調整はあるものの、非機能要件は皆一緒である。
  10. オンプレミス用には、アプライアンスが提供される。買ってきて繋ぐだけで使用でき、性能に不満があれば継ぎ足して使える。
AWSのようなものが発展してここに行き着くということは十分に考えられるが、このOSの発想からすれば、AWSはまだそのためのモジュールに過ぎない。Kubernetesもまだプリミティブな道具だ。

このOSが完成すれば、単にWeb OSといったレベルを超えた、新しい世界が開けるものと確信する。

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