2018年1月7日日曜日

護美道


上下水道、ガス、電気、通信の次に考える新しいインフラとして、護美道を考えてみる。

名前からご想像の通り、ゴミを自動で輸送する仕掛けだ。だが、共同溝を通るパイプがひとつ増えるようなものとは少し違う。陸上をロボットカーで輸送するものだ。

単純に言えば、ゴミ箱をロボット対応にする。これを護美箱と仮称する。これは単純に外形と蓋の開閉を規格化するだけだ。一方でロボットは二種類あり、従来のゴミ集積車に相当するロボットカーと、従来の作業員に相当するアームロボットからなる。これらがペアを組む。

ロボットペアは、ゴミ集積場のゴミの溜まり具合を過去の実績から推測しながら回収計画を立て、巡回する。ゴミ集積場に着いたら、アームロボットが降車して、必要に応じて集積場のドアを解錠するなどして中に入り、護美箱を持ち出してゴミをロボットカーに移し、護美箱を元に戻す。護美箱の正確な位置は、アームロボットがカメラで確認する。

一見、今までのゴミ回収と何が違うのだろうと思うかもしれない。大きく違うのはその量的規模と回収頻度だ。

想定するのは、ロボットカーは軽バン程度(背は高くてもよい)、アームロボットはASIMOより小さいもの、護美箱の大きさは70リットルだ。台数や頻度は現在の数倍。不燃ゴミや資源ゴミも含めて毎日一回は回収され、年末年始の休みもない。また、家庭のゴミ箱から護美箱へのゴミの移送も、自家用のアームロボットを使う。

生ゴミを含め毎日自動で捨てられるのなら、誰もゴミの回収日を気にしなくなる。一方でロボットを使えば回収コストは下がるから、その分頻度を上げればサービス向上になる。ロボットカーの大きさが小さくなれば、よりきめ細かい回収ができるから、設置できる集積場の数は増え、利便性も上がる。

ロボットカーを幹線、アームロボットを支線と考えると、他の用途も考えられる。自家用アームロボットと支線アームロボットが通信できるのなら、アームロボット同士で荷物の受け渡しが可能になるかもしれない。そうなると、宅配・郵便・クリーニングなどの受け渡し、LPガスボンベの交換、灯油の補給、上水の補給などが可能になる。

これは、コンパクトシティ化が進む都市周辺部でのインフラ補完として、十分に期待できるように思う。ゴミと荷物を一緒に回収するのはどうかと思うが、複数台走らせればよい話だし、この「道路をロボットカーが走り、家との間もロボットがやり取りする」スキームというのは、色々と考えてみても良いのではないだろうか。

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