2018年1月20日土曜日

企業通貨


ブロックチェーンを使った仮想通貨は、ビットコイン以外にも多数出ている。知る限りでは独立系ばかりだが、もしこれを世界規模の企業が作ったらどうなるだろう、と考えてみた。

すると、結構面白い結論になる。ビットコインのように発掘に対価を与えるかどうかはひとつの選択肢だが、結果的にこの通貨は、この企業の株と同等の地位を占めることになるのだ。

外からこの通貨を買おうと思えば、既存の通貨を持っている者から買うしかない。これはその企業専用の取引所で行う。最初の通貨は当然その企業が全部持っているが、これはネットワーク形成の時点では無価値で、取引所で売ることによって企業に相応の収入が発生する。

一度その通貨を買った者は、内部の他の者と取引所を通じて売買できるが、ここには相場が発生する。当然人気が高いほど高くなる。換金はやはり取引所で行うが、この場合は新たに参入する者が現金で買い、売る者がそれを得ることになる。新たに参入する者が支払う額が高い=相場が高い、ということで、これが株と同等の機能になる。

通貨所有者には通貨所有優待があるように設定できるが、なくても構わない。取引所は東証のような公のものではないので、上場廃止や取引制限などの規制がない。単一の企業だけでなく複数の企業を扱えば、もう株と区別が付かないくらいだ。

ここまでくれば新たな法規制が検討されるだろうが、ブロックチェーンは技術的には幾らでも自由に作れる。これは裏社会への資金流入にも使えるものになる。こちらには規制は関係ないだろうから、従来のブラックマーケットよりはるかに巨大な資金流入が考えられる。

裏社会用のブロックチェーン通貨を上手くチューニングして流布した者が巨万の富を得る、という日も、近いのかもしれない。

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