2018年2月10日土曜日
乱獲可能な海洋資源
うなぎが絶滅の危機にあるのに、日本は何もしようとしていないそうだ。以前ニシンでも同じようなことがあったらしいが、やはり何もしなかったそうだ。このままではうなぎは食べられなくなってしまうだろう。
乱獲が原因であることは言うまでもないのだが、人口は増え続けているから漁獲は増やさなければならない。そこで考えるのが、乱獲可能な海洋資源はあるのだろうか、ということだ。
うなぎが乱獲で減る理由は、稚魚まで含めた養殖ができないからだ。稚魚は漁獲で捕り、それを育てることはできる。しかし稚魚の親となる親うなぎが乱獲されてしまえば次の稚魚が減る。こういう仕組みだ。
だから、稚魚まで含めた養殖が可能な魚を多数多種類育て、稚魚を放出してやれば、その分乱獲してもよいはずだ。自分で育てるのではなく海に育ててもらう分、生存率は大幅に減るのであるが、自然より大量に放出することで、確率的に増やすことができる。
但し、単独の種類だけを増やしてもダメだ。食物連鎖と海流をよく考え、効率よく増やすような組み合わせを考えなければならない。これには綿密な調査と仮説、技術の進歩などが必要で、簡単ではない。何せタームが1年から数年は掛かるので、時間も掛かる。
そこで、ここにもAIを導入する。海洋のあらゆるところに観測点を設け、定期的に魚類の密度や種類を計測し、どの稚魚放流が効果があるかをリアルタイムで計測し、直ちに仮説を立てる。
こうすることで検討の時間は短縮されるし、新しい稚魚が増えた場合の修正も即時に行われる。稚魚を食べる魚もまた増えるだろうから、そういった魚を計画的に漁獲することも検討に入れられるだろう。
これらの魚は小さなものが多くなるはずだ。その方が成長が早く、効果もすぐに分かるからだ。そしてだんだんと大きくしていき、マグロくらいで止めておいたらよい。サメやクジラくらいになるとまた話は違ってくる可能性が高い。
また、これは海草や珊瑚にも適用できそうだ。ここまで大規模なAIをどうやって開発するか見当もつかないが、基本は因果関係の推測なので、地道な検討の積み上げが功を奏するように思う。
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