2018年2月22日木曜日
分散コンピューティングと機械
別の投稿で、「頭のないロボット」というのを考えてみた。頭には目、耳、鼻といったような感覚器と、脳がある。これを全身に分散させようとする試みだ。その主たる目的は耐故障性であるが、別の意味もある。例えば、視覚センサが二つ、三つと増えると、対象を立体的に捉え、各々のセンサの能力を超えた解像度を得ることができる。
そのためのプログラミングは相応に大変だが、センサが一つ増えるごとにプログラミングをし直していては意味がない。接続するたびに自動で機能を再構成する(切る場合も)ような、自律性が必要である。
それは、今のHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)のようなものがベースになるはずだ。アーキテクチャは均一であり、再構成のためのプログラムはあらかじめ入っている(ないしは条件が整えばダウンロード可能である)、センサは単独ではなくプロセッサを備え、通信を通じてしか見えないようになっている、どこのセンサとつながるか分からないからプロファイルを備えている、などだ。
つながったモジュール同士は単独では見えず、全体として見える(HCIの管理画面に相当)。そこにはつながったモジュールの組み合わせによって変わる機能や性能が提示されている。一方で、モジュールに内蔵されたプロセッサは、センサのみを司るのではなく、HCIとしても機能するようにする。
つまり、外から見ると、繋げば繋ぐほど機能が増えるロボットモジュールと、その上で動く汎用分散コンピューティングシステムの両方が手に入るわけだ。後者に対してロボットの制御プログラムを入れておくと、これまたロボットモジュールの機能性能に応じてできることが増える仕掛けが入っている。
これはロボットの例だが、今のおもちゃのブロック型モジュールの先には、こんなものが待っているのではないか。相当に難しいものだが、将来的にはこの仕掛けが当たり前になってほしい。
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