2019年2月17日日曜日

最後に完成するデリバリー


ファストフードの配達を頼むとき、例えばピザーラにするかピザハットにするかをどう決めるかと言えば、大きなファクターになるのはメニューだろう。好きな具材が乗っている、好きなバンズ、大きさ、など等。他にも色々あるだろうが、それがピザであれカレーであれ、まずはメニューを見るのが普通だ。

ここには大きな無意識の前提がある。それは、「完成された食事が宅配される」という、ごく当たり前のことなのだが、それが崩れたとしたらどうだろう。

例えばステーキを頼んだとして、メインの肉はA店、付け合せはB店、パンはC店、スープはD店、ドリンクはE店、と頼むことは考えられない。面倒だし、配達の時間はずれるし、支払いも大変だ。しかしそれが全て適うならどうか。

これはピザでも同じだ。バジルはどけて欲しい、くらいなら対応できても、あそこのピザはコショウが多過ぎるとか、ここのピザのトマトソースの匂いがダメ、などという理由で、他の具は気に入っているのにその店を避ける、という事態は、普通にあるのではないか。

もし複数の店舗が自分の得意で作ったものを持ち回りで完成させられるとしたらどうだろう。それも店舗、注文側、何れの負担も無しに、だ。

この解決策の主役は、自動運転車だ。例えばピザなら、生地、具、味付け、焼き、といった複数の工程を別々に発注できて、一つの工程が終わったらその食材を次の店に運んでくれる。ステーキなら、載せる食材を個別に集め、各々が揃ったところで自宅に配達してくれるわけだ。

これは店側にとってもメリットが大きい。店は逆に「生地専門店」「トッピング専門店」「焼き専門店」等になれるので、食材の調達がやり易くなり、職人の専門化、上達の度合いも進む。店同士の宣伝合戦も減るし、売上も安定する。機械化も容易だろう。

客側としては、多少作るのに時間が掛かる点が問題だが、好みの味に作れるし、アレルギーなどもっと深刻な悩みにも容易に対応できる。店の合理化が成されれば、品物も安く手に入るはずだ。

食べ物以外にも、こういった「自動運転でモノを運ぶ前提でサービス提供者が専門化する」というビジネスは多く考えられ、何れも双方Win-Winの関係が望める。

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