2019年2月23日土曜日
コンテナドローンとキャリアロボット
以前、「常用~流用型災害対応コンテナ」というのを考えたのだが、あの時は海運コンテナをベースに考えていた。想定していたのは大規模災害だったし、運搬も船とトラックのみ考え、空輸は考えていなかった。
その後、これをドローンで運べたら、と思って少し調べてみたのだが、明らかに無理だということが分かった。現状で最大級のドローンが持ち上げられるのはせいぜい500kg程度、これに対して海運コンテナは20トンはある。航空貨物コンテナでも2トンはあるそうだ。
上述のコンテナには居住スペースがあり、あまり軽いものは作れない。サイズも必要だ。ということで、ドローンを前提とした場合はこの方法では無理だということが分かった。
海運コンテナ系がダメだというわけではないのだが、ドローンで運べるサイズであれば、災害に限らずもっと気軽に使えるのではないかと思った。例えば山小屋への運搬なんてどうだろう。尾道のような山がち且つ車が入れないようなところでも役立ちそうだ。日常の生活物資なら頻繁に運ぶから、ドローンは役に立つ。
そこで考えてみる。先の500kgドローン類似の重量として、ロールボックスパレットを単位とするのがよい。これなら既存の規格なので、すんなり受け入れられるだろう。
代表例としてJITBOXがある。これは110×110×200cm、600kgだ。既存の航空貨物コンテナとは合わないが、後述する機構があれば問題ない。
JITBOXはもちろん吊り下げを考慮していないので、新たに規格を作る。このサイズ内で、且つ吊り下げ用金具を上部に持つように作る。さらにもう一つ、下部にも同様に固定用金具を付ける。金具の下には後述するキャリアロボットが入るが、これを含めて高さを設定する。
キャリアロボットとは、荷台を水平に保ちながら、段差20cm程度を、つまり階段を上り下りできる搬送ロボットである。多脚でもキャタピラでも良い。これは、後述のトラック輸送時には引っ込んで高さを節約する。前述の高さは、この引っ込んだ状態で満たせばよい。
尾道の坂ならキャリアロボットだけで十分だが、山小屋や災害現場ならドローンが必要だろう。現地ではまたキャリアロボットが活躍する。階段を上ったり、用が済んだら移動したりできる。
こういったものを規格化しておくと、例えば家の側面に幾つか専用のハッチを用意しておいて、荷物の授受専用とか、上水やLPガスボンベの供給、ゴミ捨てなどに使える。ラストワンマイルだけでなく、人手を一切使わない完全自動化だ。
JITBOXにしておけば、全行程をドローンで運ぶ必要はなく、途中はJITBOX網(トラック)でよい。そうすれば、相手が多少遠くにいてもビジネスが成立する。例えばこの片方を市場にしておけば、レストランは生鮮品を迅速に入荷できるとか、僻地の郵便局が活用するとか、ケータリングに使うとか、色々用途は見えてくるはずだ。
このキャリアロボットとトラック網が有機的結合をすると、同じトラックで同じ市場から別のスーパーに各々配達ができたり、クリーニングの集荷と新聞の配送が相乗りしたりと、輸送の効率化ができそうである。これは道路混雑を緩和し、トラック運転手の負担を減らし、人は外に出なくて良くなる。
こういった「汎用自動搬送サービス」を、ヤマト辺りが始めてくれると、世の中は凄く変わるような気がする。
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