2019年3月10日日曜日

印刷する電池で広がる世界


https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1166987.html

印刷できる電極というのはあったのだが、印刷できるバッテリ、しかもリチウムイオン二次電池だというのなら、なかなか興味深い。

これを見て直ぐに思ったのが、基板や筐体に印刷する、というアイデアだ。バッテリのための専用の空間を確保する必要がなく、例えば部品と部品の間の隙間を電池で埋めてやる、というようなことができるだろう。これはシールドとしても機能するし、形状を平準化することにもなるし、場合によってはヒートスプレッダにもなるから、全体の大きさを小さくしたりノイズを減らしたりという製品の性能向上に役立つのではないか。

そしてもう一つ思ったことは、電池の細かい分散が可能になるということだ。バッテリは大きいものがデンと載っているのが今までの常識だったが、これなら細かく分散できるから、これからはそれを前提とした回路設計が可能になる。イマジネーションの世界が広がるわけだ。どちらかというとこちらに興味がある。例えばこんなものはどうだろう。
  1. 本のカバーに電池を印刷しておく。カバーなのでもちろん柔らかいのだが、背表紙のところから引き出せるLEDランプが付いていて、暗いところでも読める。
  2. 服の内側に配置する。もちろん通気用にあちこちに穴が空いているので蒸れることはない。重いバッテリをポケットに入れておくのではなく、服全体に散らばれば重さを感じないし、ポケットが型崩れすることもない。Qi充電パッドをポケットに仕込んでおけば、そこにスマホを入れておくだけで充電できる。
  3. 伸縮式のUSBケーブルに配置する。伸び縮みさせる度に発電し、充電する。大し発電量はないが、キーランプくらいにはなるだろう。同じ発想で、盗難防止の伸縮紐付きのキーホルダーにも仕込める。
  4. E-Inkと組み合わせた、紙のように薄い腕時計。
  5. 印刷するセンサと組み合わせたおねしょ予防パンツ。漏れるとチクチクする。
  6. 光るネクタイなど、ファッション性のある服、アクセサリー。全部印刷でできるなら、小型薄型のもの、デザインも豊富にできる。光るかつらとかも夢ではない。
  7. 道路や建物などへの大規模展開。太陽光発電のバッファなど。太陽電池にも印刷でできるものがあるから、纏めて印刷することで外壁を全部発電可能にできる。
  8. 農地では雑草防止や遮光などにシートが多用されるが、それをこれ(太陽電池+バッテリ)で作る。農作物に当たらなかった太陽光が全て発電に廻れば、エネルギーの有効活用ができる。
他にもまだまだあるだろう。また思いついたら書いてみたい。

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