2019年3月3日日曜日
AI-OSの機能
以前「OS-AI、APP-AI 」などでも少し議論したが、OSが全てAIになるとしたらどんなものになるのだろう。
OSというからには、目的別のプログラムを切り替える役割を持つべきなのだが、これは旧来のOSの考え方だ。AIの場合、ファイル・ロード・実行といった概念そのものから考え直す必要がある。
結局これは「汎用人工知能」(AGI)と言っても良いのかもしれない。ただ、少なくともその初期においては、全知全能の神ではないし、提供者によって異なるAIを使い分ける(そして料金が掛かる)ようなモデルになるはずだ。つまり、やはり買い切りや月額サービスとしてのXX-AIがあって、その使用権を買うということになる。
しかし、それがデスクトップのアイコンになって、タッチすると起動する、というのであれば、従来のOSでも良いことになってしまう。OSがAI化するのであれば、その主なインターフェースはOSが担い、共通部分はOSが処理する、というのでないとおかしい。
AIに関して言うと、チャットや音声が主なI/Fになるというのはかなり確度が高い未来だ。そこには「その人が何を求めているのかを解釈する」という機能が入って然るべきである。これはXX-AIではなく、OSの機能であるべきだろう。
また、この時代には、アプリケーションを完全に切り替えるのではなく、各々のAIが協調して欲しいと思うはずだ。例えば業界によって使い方が異なる、単語としては同じ言葉をどう解釈するのか。それは文脈によるべきであり、複数のXX-AIに丸投げして一番確度の高いものを採用するとか、文脈からある程度絞り込んで答えさせるような仕掛けが必要だ。また、あるAIからの答えを別のAIに繋ぐ、といったことも必要になる。これもOSの役目だろう。
更には、話者が誰かによって対応を変えるというのもOSの仕事だ。子供に成人指定の言葉を返さないようにする、適切な言語を選ぶ、知的レベルによって説明を変える、許された権限の中で答えるというのも、OSの仕事だ。当然、話者認識も必要になる。
XX-AIからの出力を、そのままユーザに見せるということもないと思う。例えば言語だ。OSの機能に期待して、サービスからの出力は中間言語に留め、表現に関してはOSが工夫すべきではないか。例えばユーザが歩行中なら全て音声にすべきだし、一緒に聞いているイギリス人がいたら英語で返す、ディスプレイの大小によって表示を変える、などは、今やOSの仕事ではないかと思う。
これらにはもちろん仕様決めが必要だが、お互いがAIであれば、これは緩いものになっていくかもしれない。旧来のようにAPIをきっちり決めなくても、自然言語でまずやり取りする、といったようなスペックになるのだとすると、これはこれで面白そうである。
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