2019年3月20日水曜日

監視カメラビジネス


以前より、5Gの評価は価格体系が出るまで保留、と言ってきた。いくら速くてもパケット単価が同じであれば、パケ死までの時間が短くなるだけだ。多少は安くなるだろうことは予測できるが、問題は大々的に安くなるかどうか、である。中途半端な下がり方では、せっかくの宝も持ち腐れで終わるだろう。

そんな中で考えるのが、今までも需要はあったものの、費用対効果の問題で二の足を踏んできたようなものが、5Gの価格低下と共に息を吹き返す可能性である。代表的には、比較的容量の大きいIoTだ。

IoTを設計するときに、無意識に容量節約してしまっているものがある。例えば監視カメラだ。今の監視カメラの多くは有線でつながっている。無線でつながっているものは、常時垂れ流すのではなく、センサや画像解析をローカルで行っていて、インシデント前後で集中して送るようになっているだろう。これはこれで正しいのだが、もし垂れ流しができるのだとしたら、別の用途がある。

監視カメラを設置した当人は防犯にしか興味が無くとも、警察は逃走者追跡に使いたいと思うかもしれないし、気象庁はローカル天気の把握に、消防庁はボヤの早期発見に、と色々用途はある。それを切り売りできるのなら、これは新たなビジネスになるわけだ。

もちろんよこしまな会社は排除するとしても、そういう公共目的で監視カメラ映像を定額で買い取るようなサービスが生まれれば、それ目的で多数監視カメラを設置するというビジネスは成り立つ。これは更に、そういうカメラの標準化にも貢献し、カメラの価格が下がる。太陽電池と組み合わせることで、それこそ設置場所さえ確保すれば電源も通信も不要、なんてことも夢ではない。

設置に関する制約が大いに低減されることで、街どころか田んぼや畑、山中、部屋の中、あらゆる場所に監視カメラが設置され、ビッグデータが日々生まれ、生活が改善されることに繋がるわけだ。

監視社会というと警戒感ばかりが先に立つが、使い方、考え方次第である。

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