2019年3月21日木曜日

RPAの罠


http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html

総務省によると、RPAには三つの段階があるのだそうだ。クラス1がいわゆるRPA、クラス2はEPA(Enhanced Process Automation)と呼び、自然言語解析などの解析、非構造化データの読み取りや知識ベースの活用。クラス3がCA(Cognitive Automation)で、プロセスの分析や改善、意思決定まで自動化する。

個人的にはちょっと大雑把過ぎるなあ、と思うのだが、逆に言えばまだそんなレベルなのだろう。今のところ、気軽に触れるものは全てクラス1だ。このレベルでは、RPAといえどもプログラミングが必要である。

個人的にも、無料で触れるRPAを幾つか触ってみたが、ハッキリ言って素人お断りの難しさだ。現場での改善など望むのは不可能で、プロに頼むのであればなんでRPAにしなければならないのか、業務プログラムでよいのではないか、とすら思う。

また、例えば事務作業の補助を頼むにしても、実際のところ細かい例外や曖昧なところは一杯あって、クラス1で作ってしまうとそういうところを全部飛ばしてしまい、あまり役に立たないことが多い。

Excelのデータで、ゼロと空白とハイフンにどんな意味があるのかは、グラフによって違ったりする。たまに文字が入っていても人間なら読み取れるが、クラス2までならそもそも無理だ。その条件を最初から抽出するにはデータを全部見なければならないなど、労多くして作業の手間があまり減らないことになる。人間の常識の偉大さを垣間見るだけだ。

こう考えると、クラス3にまで行かないとRPAは殆ど役に立たないのではないか、と思えてくるのだ。ちゃんとした手順はイコールプログラミングであり、細かい例外が一杯あるプログラムは作り辛い。それをAIでチャチャっとやってくれるというのは理想ではあるが、期待通りにAIが動くとは限らないから検証が必要で、その検証に時間をとられれば結局プログラミングをするのと一緒、大して変わらない、というわけだ。

この原因は、世の中が汚いデータで溢れていることもある。見易さを重視して機械可読データとしての価値を無視した神Excelのようなものが主流である以上、RPAの将来は暗い。

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