2017年6月15日木曜日

倒産支援と起業支援


大銀行や大企業が倒産の危機にある時、国が救済するということはよくある。だが、中小企業で同じことがあるという話を聞いたことがない。影響が大きい云々というが、大企業が倒産して失職するのは高所得層であるし、銀行が一つ潰れたとしても他に銀行は幾つもあるのだから、あまり合理的な説明とは言えない気がする。
中小企業の倒産は難しい。借金がかさんだ時、倒産することで経営者が受ける影響は、大企業のそれとは性質が異なる。個人債務が認められているため、倒産イコール経営者の経済的破綻を意味することが殆どであるからだ。倒産すれば経営者は借金取りに追われる身となる。
本来なら、借金漬けの企業はさっさと倒産してチャラにした方が金回りは良くなるはずだ。そのためには、中小企業が気軽に倒産できるようになる必要がある。そのためには、経営者の個人債務を禁止することが適切な策だ。
また、別に議論があるベーシックインカムだが、起業家に対して適用してやれば、気軽に起業ができる。これで、起業家は給料ゼロでも働けるし、失敗しても命まで取られることはないから安心だ。
こんな制度はどうだろう。会社の規模が大きかろうが小さかろうが、経営者個人からの取立ては禁止となるため、倒産は早めに行うことになり、投資家の被害は少なく抑えられる。また、倒産した後には一般的には失業保険が支給されるが、起業する者に対しては失業保険ではなくベーシックインカムが支給される。一定期間内に起業できなかった場合、ベーシックインカムは停止される。これは失業保険と相関するタイムレンジでよいだろう。
ベーシックインカム下で起業する会社に関しては、通常とは異なる税法が適用され、経営者自身のベーシックインカムは収入として計上されるようにする。他、失業保険などもベーシックインカム前提で軽減ないしは適用外になる。ベーシックインカムからの会社への投資や貸金は禁止とする。経営者は何時でも税制を切り替えることができ、それと同時にベーシックインカムの支給は停止される。逆はできない。投資家側も、ベーシックインカムを選択できる。
まあ細かい調整は必要にしても、これで倒産と起業が促進される。これは結局、強い企業が正しく生き残ることになるから、市場全体は健全化し、且つ倒産した経営者の生活も相当に底上げされることになる。投資家にしても、起死回生の大博打を打つようなことはなくなるので、お互いに目が三角になるようなことはない。

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