2017年6月2日金曜日

歴史は繰り返す


歴史を勉強する意味として、過去の愚かな過ちを繰り返さないため、というのは小さい頃に聞かされたことだが、現実問題としては歴史は繰り返す、つまり愚かな過ちは何回も起こっている。その最大のものは戦争だが、それ以外の思想弾圧や差別、テロなども同じだ。
なぜ歴史は繰り返すのかというと、歴史を単なる学問の一つとしてしか扱わず、上のような「過去の過ちを繰り返さないため」という思想がない人が大部分だからだろう。人は死に、新たな人は一から学び直さなければならないから、継続的に教育とその動機付けを行わないと、徐々にその意識は薄れ、同じ過ちをしても気付かず、戦争が起こり、反省して、振出しに戻る。一部の知識階層や歴史学者は分かっているけれども、大衆の流れは止められない。彼らにできることは、せいぜいその時間軸を伸ばすことくらいだ。
ただ、歴史が繰り返す仕組みというのは、大衆心理の観点から学問的には分かってきているはずなので、歴史そのものを学ばずとも、そういった理論からのアプローチは可能なはずだ。近年の技術の発達、特にAIやビッグデータ活用といった、従来では不可能だった大量データの知的視点での処理は、歴史学の歴史からみても画期的な向上である。
新聞社が定期的にアンケートをし、SNSでは日々のつぶやきから、大衆の心理を数値化できる。そこから戦争に至る心理を分析できれば、またそれを過去の戦争にあてはめて分析すれば、今どの程度危険かが客観的に分かる。そうすれば、単なる左翼の遠吠えと見捨てられることなく、多くの大衆に訴える危険性が見えてくるはずだ。

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