2017年6月11日日曜日

ディスプレイテーブルのOS


ディスプレイが内蔵されたテーブルというのは昔から何回も提案されているが、あまり売れたという話は聞かない。個人的には凄く興味があるのだが、やはり買う気は起きない。なぜだか考えてみると、その要素は三つに集約される。一つは言わずと知れた価格である。二つ目はUIの貧弱さ。三つ目は解像度だ。
これらは何れも致命的欠陥ではなく、時代が解決する性質のものだ。つまり、ディスプレイを備えたテーブルや机というのは、何時かは実用化し、そこそこ普及しておかしくないものと考える。
その前に、用途を考えてみる。リビングにはテレビがあるのが普通で、タブレットやPCもあるだろう。そこに更にテーブルがディスプレイになっているとしたら、それで何をするのか。これを考えてみると、以下のようなものが挙げられる。
  1. 大画面で見たい、また自分のペースで好きなように見たいコンテンツの消費。
    1. 新聞を広げて読む、老眼の人が読書をするなど。
    2. 絵画や写真集など、大画面で見ることで迫力が増すコンテンツの閲覧。
  2. 複数の人が同時にコンテンツを操作する。
    1. 囲碁やボードゲームなどのゲーム類。
    2. 会議、家族旅行先の選択、飲み会の場所の選択など、意見を集約するもの。
  3. 大画面が必要な情報処理。
    1. 本屋の書棚を再現し、見たい本を探す。
    2. スーパーの陳列棚を再現し、買い物を探す。
    3. 地図や星図などの閲覧。
    4. 細密写真から何かを探し出す。医療における病巣の確認、証拠写真など。
    5. 大量の写真の整理。
    6. 広大なExcelの編集。
  4. 本来の意味でのテーブルの使用を補佐するもの。
    1. 食器の周囲を照明して食事の美味しさを演出する。
  5. テーブルの上に置いた物理的なモノの操作を補助する、ないしはモノの操作によってコンピュータへの指示をする。
    1. チェスのコマや戦略ゲームのコマを物理的に作る。
    2. 家電の操作や情報処理のUIを物理的に作る。オーディオのボリュームなど。
こう考えてみると、既存のPCやタブレットのUIではまだ不足であることも分かる。例えば画面に一度に複数の人が触ることを想定したり、その向きも多方向からだったりする可能性もあるし、画面にタッチしたのが手首か指か肘かモノかの識別も必要だ。マルチユーザもマルチウィンドウも必須になるばかりか、画面は一つでもウィンドウ毎にユーザ(ID)が分かれるような事態も考えられる。となれば、単にディスプレイがあるだけではダメで、人間がそれをどう囲んでいるかなども別にセンサで見る必要があるのではないか。
従来のディスプレイテーブルでも、それなりのコンセプト的な操作ソフトはあったわけだが、OSとして標準的なものはまだ見られない。操作場面からしてWindowsのような柔軟性があり過ぎるOSは不適だろうから、AndroidやiOSのようなものからの発展系として作るのが望ましいように思う。

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