2017年6月4日日曜日

圧電素子応用多翼羽ばたきドローン


羽ばたくロボットの類は既に存在しているが、知る限りでは2翼だ。ハエは4翼だし、ドローンなら数の制限はない。例えば8翼とか、百翼の羽ばたきドローンがあってもよいわけだ。
羽ばたき翼は、機構が回転翼より複雑になると思われがちだ。確かに翼が折れる(か、しなる)必要があるのでそこだけ見れば複雑だが、羽の駆動機構はモーターのような回転ではなく振動が使えるため、軸と軸受けを作る必要がなく、軸の摩擦を考慮した精密設計や油差しなどが不要というメリットもある。当然、軸の素材も、金属ではなくFRPなど安い素材が使える。駆動系には圧電素子を使えるため、薄く細くシンプルにできる。
例えば「木」のように、幹から枝が多数出ていて、その先に葉のような羽がある構造を作っておき、枝の一つ一つに圧電素子を配置して揺れるような構造を作ることができる。枝毎に圧電素子を配置して全てをコンピュータ制御することで、上昇加工回転などが自在にできる。
この機構では、厳密に左右対称などを考慮する必要がない。枝を多数作って振動を調整すればよいからだ。同じ理由により、加工精度も要求されない。移動するに当たって枝を折り畳んでも、広げたときの精度は要求されない。多少折れたり調子の悪い枝があっても、他が補ってくれる。必要に応じて枝を増やすこともできる。
圧電素子はエンジンやモーターに比べて圧倒的に安く、軽い。羽や枝も相当軽く作れる。このためエネルギー効率も高いはずだ。今開発されている、回転翼や固定翼による、人間が乗れるドローンよりも軽く小さいドローンが作れるかもしれない。

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