2017年6月29日木曜日

デジタルお城


以前の投稿「メイドロボットと家の変化」で、家電など家の構造が変化する可能性を考えた。これをもっと突き詰めると、「お城」の概念が見えてくるのではないか。
家の人は王族で、メイドは従者だ。両者が住む世界は違い、同じ城の中でもメイドだけの居る所は狭く、醜い。家は城のように広くはないけれども、もし家事を全てメイドロボットが行う前提なら、裏方作業をする場所が明確に分かれ、リビングからは隠されるようになるのではないか。
例えばタンス、洗濯機、物干し、台所、ストッカー他物置とメイドロボットの常駐場所として一部屋が割り当てられ、その部屋はメイドロボットのみ出入りする、という図式だ。都度必要になるものは逐次メイドロボットが補充・交換するので、リビング、寝室、トイレ風呂などにおけるモノを置くスペースは大胆になくなり、広々とする。バルコニーからも物干し竿が消え、単純に趣味や娯楽に使うことができる。
その代わり、メイドロボットの部屋は狭く(汚くはないだろうが視覚的には)醜い。皿洗い用のシンクと洗濯漕が兼用になっていたり、ストッカーは服と食材で同じものが使われていたり、人が通れないほど狭かったり、常にうるさかったり、換気が強く冷暖房がない、などは考えられる。
また、その一部屋は意外と大きくとる必要があるかもしれない。特に、モノの量には制限が掛けられ、勝手にモノを買ってはいけない、なんてことになるかもしれない。一方で、生活家電の多くは不要になり、買ったものは放置せず効率よく使い倒されるので、必要なモノの量は減る。その過程でどちらがより効いてくるかは見ものだ。
何れにしても、家事や片付け、留守番まで含めて全てをしなくてよい生活が得られるのであれば、例えばロボットに家の半分を占有され、リース費用が月3万円だったとしても、大きな魅力になる。飛ぶように売れることだろう。

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