2017年6月13日火曜日

遺伝子操作の果て②


遺伝子操作の果て①」では、結構暗い結末となってしまった。気を取り直して、技術的な視点からできるようになることを掘り下げてみたいと思う。
以下が、その時挙げた「やりたくなるだろうこと」だ。
  1. 病気になりにくい体。遺伝子病に限らず、あらゆる病原菌、ウィルス、プリオンなどに対抗できる。また、不快害虫を寄せ付けない、刺されても咬まれても平気、など。
  2. 老化しない体。寿命を長く、また年齢を重ねても健康でいられる。
  3. 高い運動能力。スポーツ選手や山登りなど。更には他の動物との格闘で勝てる(アフリカで暮らせる)、体が頑丈、など。
  4. 高い生体再生能力。腕を切られても生えてくる、怪我が直ぐ治る、など。
  5. 環境適応力。暑さ寒さ、強い日射、文明的な悪環境(高二酸化炭素、PM2.5など)、更には高山深海、水の少ない環境、少ない食料、宇宙(火星移住、真空・放射線)など。
  6. 高度な知能、交渉力、統率力など、社会的行動への適応性が高い性格。
最初のゲノム編集で、全部の能力をいっぺんに得られたと仮定する。そうすると、自分だったらまず何をするだろう。
しばらくは文明に毒されたままだろうから、高級な生活をしたいと望むだろう。それにはカネが必要だ。よって高度な知能を使って株で儲けたり事業をしたりしようとする。だが周りも同じく賢くなっているので、相対的にはやはり今のままとなる可能性が高い。長い寿命を生かして定期預金、と言っても、周りも同じく長寿になっているので、金利も下がるか物価が上がるだろう。
では、強い環境適応能力を生かして長時間通勤に耐えたり、草木で飢えを凌いで生活費を下げようとも思うが、同じことを考える人は多数いるはずだ。それを見越して給料を下げられるかもしれない。怪我や病気がなければ保険の解約も考えられるが、これも同じだろう。
生活の向上を諦めた後、何を考えるか。ささやかな幸せの向上だ。体力を要するスポーツや旅行が経験できるようになる。だがこれも、しばらくすれば飽きる。欲求のレベルが上がってしまうだけだ。
世捨て人になって、山奥で自給自足ということも考えられる。だが同じ志を持つ人が多数出てきて、人里離れて暮らすことは不可能になるかもしれない。そしてそのうち、そうしたがる人が求める土地の値段が上がり、元に戻ってしまう。
そう考えると、結局は内面に向かわざるを得なくなる。禅の修業でもするか。だったら今でもできるではないか。

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