2018年5月8日火曜日

音声UIとインタラクション


「Alexa、XXして」と一言で終わるような用事であれば、今後もどんどん実現していくものが増えていくだろう。だがこれでは人間の代替にはならない。人間の代替になりうるための最適のUIは「執事」ないしは「秘書」である。一言言えば何でもやってくれる、というのがその概要だが、細かく見ていくと少々ややこしい。

「蔵原、町に出ます」とお嬢様が行ったとき、それは車の手配をすることを意味する。だが単に車を出すだけではなく、その時の天気や気候に合わせた衣類や傘などの準備、財布の中身を確認して必要なら補充する、行き着けの店があるならそこの予約や予告、その時に備えた運転手と自動車の確保、帰宅時間に合わせた夕食の準備、運転手と逐次情報を交わしてそれらの修正などが含まれ、あるいは含まれない。必要に応じて詳細を聞いたり、聞かなかったり。あるいは結果を元にそのルーチンを修正する。

Alexaと本質的に異なるのは、個々の機能の充実ではなく、インタラクションである。つまり「お車の準備をします。他には何が必要ですか?」と訊く、そして訊いた内容を理解して次のルーチンに組み込む、という機能だ。また、定番となった内容は質問せずに準備してしまう。後日それが余計だと言われたらまた訊くようにする。こういったものの繰り返しが必要だ。

このためには、一度実行した命令とその結果を覚えておいて、データ化して、個々のAIに落とし込んでいく必要がある。このAIこそが執事の要となる判断エンジンだ。この機能については、まだ誰も研究していないと思う。

全てが音声UIであるところは少々悩ましいが、もっとデジタル化できるなら(例えば後日タブレットでアンケートをとるなど)今でもできそうな気がしないでもない。Amazonには検討をお願いしたいところである。

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