2017年2月11日土曜日

人間ドックの価格破壊


最近、病気の検査キットの発達が著しい。採血量がごく少量でも検査できる自己採血型キットなどが、既にオンラインでも売られている。多数の検査に対応したものはまだ少ないし価格も未だ高いが、進化はまだしばらく続くように思う。
人間ドックでできる検査の全てを網羅している訳ではない。だが人間ドックの本質は成人病とがんの早期発見だろう。これらの多くはもうキットで対応できるようになっている。できない検査の多くは測定機械が必要なもので、超音波エコー、聴力、心電図、眼科、身体測定、レントゲン、胃カメラなどだが、検査キットで分かるそれとの重複もある。例えば糖尿病と眼底検査、胃カメラとピロリ菌検査などだ。また、スマホにアダプタを付けてできる検査も増えている。視診などはカメラで撮影すれば済む話だし、脈を取るソフトもある。
このような状況の中、一部ないしは多くを検査キットに委ね、価格破壊を起こす病院が出てきても良いのではないかと考える。
例えばこんなものだ。申し込みをすると、オンラインでのアンケート回答と、複数の検査キットが送られてくる。前日にそれらを使って採血や採尿を行い、当日持ってくる。更に、スマホに接続する簡易検査プローブを渡され、これでできる検査も自分で行う。病院は、本当に病院でしかできない検査のみを行うので、対応時間を大幅に短縮できる。その結果として、例えば半額などと大幅な価格低減を実現できる。
検査結果をオンラインにして病院のIDで見られるようにすれば、顧客囲い込みの効果がある。検査結果を電子カルテに取り込むのも一発だし、これからDMを打つこともできるだろう。検査で儲けなくてもその後の診療で儲けられる、というビジネスモデルが確立する。また町医者でもそこそこできるから、大病院からいくばくかの客を奪ったり、中小企業相手に営業をして新たな顧客創造をすることもできるだろう。
これは、基本的にはよいことだ。国民の健康を向上することができるのだから。大いにやってもらえばよいと思う。

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