2017年2月27日月曜日

試験投票兼用端末


電子投票と、それだけではもったいないので各種試験(受験、資格試験など)に兼用できる専用端末を考える。
まずはハードウェア。基本的にはシンクライアント、つまりChrome OSやRDP端末として動くようにする。次にサイズと形状だが、12~14インチサイズの2画面型ノートとする。1画面目は通常のノートPCと同様、2画面目はキーボードに相当するところに配置する。上が問題、下が回答だ。また2画面目はタッチパネルとする。静電式電子ペンへ対応し、また磨耗防止のための交換式保護シートが敷けるようにする。蝶番で折れてもよいが、固定版もあり得る。
電源含め、原則として接続端子はない。必要なもの全ては無線で接続する。また、超指向性スピーカとマイクを内蔵する。スピーカは斜め上を向き、操作する本人にのみ音が聞こえるようにする。無線ICカードリーダー、インカメラ(こちらを向いたカメラ)を内蔵する。
バッテリはないか、内蔵するとしても劣化しない電気二重層コンデンサのようなものがよい。テーブルには専用のマットを敷き、無線LANシート
と無線給電(Qi)を仕込む。空冷ファンもない方がよい。
無線LANシートの先には認証サーバがあり、ICカードのタッチと認証までは共通、その先はプログラミングでどうとでもなる世界になる。認証サーバはローカルで持ってもよいし、Googleのように開けた世界にあっても問題ない。開けたサーバの場合は、実際の試験サーバとはサーバ同士で認証を交換する仕掛けが必要だが、これは既に世の中にあるものを使えばよい。
端末の故障には代替機で対応する。このためには試験官が専用の操作や別端末を持って途中交代させるような操作が必要である。これをすることで、新しい端末で続きをすることができる。
この端末の苦手となりそうなのが、大量の筆記が伴う試験だ。計算問題や論文などである。また、共通テストのように、同じ問題を全国で一斉に解くような形の試験は、技術的には難しくないが、サーバの負荷やトラブル対応などを考えると好ましくない。アダプティブテストや、問題のストックからランダムに選ぶような形のテストの方が望ましい。
筆記試験の場合、タイプにしてしまうと日本語変換の癖で戸惑ったり不具合対処で時間が掛かったりしてしまうから、手書き且つ手書き文字認識しない、という形になる。そうすると、タッチパネルのサイズでは小さい文字を書けないから、必然的に記述量が少なくなってしまう。そういった試験へ無理に対処するのは止めた方がよい。
端末自体にはIDと認証を設け、不正端末との接続を避けるようにする他、接続状況を観察して疑わしい接続を警告するような仕掛けがあるとよい。また、インカメラによって、試験開始から終了まで常に同じ顔が映っていることが強制されるようにする。これで不正を防止する。端子がないことも不正防止に貢献する。
端末だけでなく無線LANシートや無線給電、覗き見防止のためのブース化など、それなりの配慮や労力が必要になるため、たまにしか使用しない使い方では運用が辛い。このため、会場を固定し、試験の種類を多数受け入れるような、汎用の試験場という形での運用が望ましいと思われる。また、地方など人数や頻度が限られるところでは、組み立て式ブースやキット化なども検討する。
普段は学習用に使い、試験の時は試験に使う、という運用であれば、学校で買うこともできるだろう。これなら全国どこでも同じように授業と試験ができるから、大手私立学校や塾などで、地方の分校を積極的に作るような展開も考えられる。その場合、インカメラがあることはそのまま質問用TV電話システムになる。また、怪我や病気で長期欠席したり、引きこもりなど精神的な理由で登校が困難な学生でも、これで勉強を進めることができる。あるいは海外赴任の親に着いていく子供にも、日本の授業を引き続き受けさせることができる。

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