2017年2月23日木曜日

コンピュータ免疫モデル


人間や動物の体の中に、外のあるウィルスや細菌がゼロということはあり得ない。侵入を防ぐことは不可能だ。だから体には様々な免疫機構があって、それらの侵入を許しながらも生きていくことができる。今後、コンピュータが更に高度化していくに当たっては、これと同じようなモデルが必要になるのではないか。
現状のモデルは演繹的だ。つまりウィルスであるかどうかは外部(人間)が定義し、それを叩く。一方本稿のやり方は帰納的だ。大量に増えて不具合が出てきたらその原因を見つけて叩く。一見よく似ているが、実害が出るまでは動かないこと、実害を自動的に検知すること、そして実害の原因を自動で見つけるところが異なる。これは、プログラミングとAI学習モデルの関係によく似ている。
ソフトウェアは細胞壁のように強固な膜で覆われていて、そこに侵入できるのは安全なものだけのはずだ。それを騙して侵入するのがマルウェアである。但し一つのセルには一つのマルウェアしか入らない(大量に入っても意味がない)。セルが持っている情報量は微量だからだ。だからマルウェア側も増殖しなければならない。そのようなアーキテクチャにする。
人間の体が移動したり手先が器用だったりというのは、細胞の集合体としてのアルゴリズムができているからだが、それと同じようなソフトウェアモデルを組めば、免疫システムにも類似の構造を作れるはずだ。
免疫モデルを作る以上、大元の「人間」つまり業務プログラムも従来と大きく変わるはずだ。それは別稿で。

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