テレビを録画して後で見る、という人はかなり多いと思う。世帯普及率でいえば7割くらいだそうだから、録画して見るのは普通のこととして認識してよいと思う。VODが普及すれば、録画は原則として不要になるはずだが、現状のVODはまだそこまで使い勝手がよくない。
機器ベンダがブルーレイレコーダーなどを開発して売っていけるのはVODがまだ完成域に達していないからだが、どこまでいけばこれが達成したと言えるようになるのだろうか。個人的には以下が必要だ。
- 全ての番組を、ノーカットで永久に保存してくれること
- 無料か定額制、且つ充分に安価であること
- 充分に高品質であること(用途に応じてで可)
- UIが充分に分かりやすく高速であること
- ネットワークに多大な負荷を掛けないこと(持ち出し再生対応)
- TVだけでなく、スマホ・タブレットでの閲覧が可能であること
- CMスキップ・高速再生などのトリックプレイ、必要なところだけの(仮想的)カットに対応すること
1.は、自分の場合で考えると、全地デジ・無料の衛星・ケーブルテレビチャネルに対応し、また自分が加入している(将来的に加入しうる)有料のものにも全て対応すること、だ。現状ではこれだけで全てのVODが脱落する。
実際のところ、1.は費用だけでなく、権利関係でも相当のネックになる。例えばノーカットであってもCMを挟まれると興醒めだし、時代によって変わる差別用語や不都合のある表現を勝手に追加でカットされたり、見る国によって制限を受けたり、極端な話、作者意向などによって配給停止されたりする可能性は否定できない。
現状では、2万円程度のレコーダーを買えば1.を満たす。そしてこの条件では、2.に関しては月2千円程度であっても充分に高い(レコーダーの方が安い)ことになる。3.以降は見逃すとしても、1.2.だけで考えても、当分の間はレコーダーを手放せない、ということになる。
ただ、実際のところ、全チャネルを全時間録画することはあり得ない。長期間保存するのは映画くらいで、ニュースなどは見逃せば二度と見ない(昨日の天気予報を見ても意味がない)。映画は割と局を超えて放送されるから、その制限が適当なものであればVODに移行しても構わない。
ドラマやバラエティは難しいが、民放のそれが魅力的に映る理由は、CM集客に基づく豊富な資金力だろうから、ネット業者に機がないわけではない。ネットオリジナルのコンテンツなどもちらほら出てきているから、徐々に勢力を拡大し、逆転が起こる可能性は常にある。
Amazonプライムなどはこの感覚に近いが、問題なのはやはり1.と2.で、1.は保証されていないどころか全然不足だし、2.は月額はそこそことしても個別の番組での支払いがあるものが多過ぎる。自分のものになるというよりは都度払わされている感覚になる。
感覚的には、値段であと10倍頑張って、コンテンツをあと100倍頑張ってくれたら、レコーダーを手放すかもしれない。音楽と違って先は長そうだ。
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