2017年2月19日日曜日

頑丈キャスター付き洋服ダンス


洋服ダンスは動かないものだが、これが動く、しかも思い立ったら簡単に動かせるとなるとどうなるか。きっと模様替えは頻繁にできるだろうし、衣替えもタンス単位でできるだろう。だがそれよりも重要なのは、隙間なく奥に詰めることができる、ということだ。いわゆる納戸、サービスルーム、つまり窓がないか小さい部屋を一つ潰して、ここに人が入る隙間がないほどびっちりと家具を入れても、出し入れが簡単なのであれば問題ないから、その分居室を広く使える。
このための機構を考えるに、難しい判断が一つある。それは、既存の家具に対して使えるようにするか、新しい家具を前提にするか、だ。
新しい家具に関しては話は簡単だ。物流では、「カートラック」ないしは「ストックカート」と呼ばれる商品群がある。例えばこんなものだ。
これそのままでは使えないが、要は頑丈なキャスターを持つ台車の上に家具を作りつければよい。ハカマを穿かせてキャスターを隠せるようにする。キャスターさえ充分に頑丈なら、相当重い家具であってもスムーズに動かすことができるから動力は不要だ。但し、下が高くなるのでスペース効率は悪い。
問題は既存の家具への対応の方だ。下に頑丈な板を敷いて、それを基点にジャッキで持ち上げればいいのだろうが、そのためにはその板はある程度厚くないといけないし、持ち上げるためにはフォークリフトで使うようなフォークが入る穴が必要だ。専用にして小型化したとしても、5cmは高くなってしまうだろう。板ではなく、滑りやすく丈夫な布を敷いておき、これを引っ張るというのを思いついたのだが、これでは引っ張れても押すことができない。また、家具に合わせて左右の幅と奥行きが自由に設定できる必要がある。
最終的に考えられたのは、フォークではなく角度の鋭いクサビを差し込むタイプのリフトである。但しこのクサビは、左右の間隔を調整して家具の左右の幅に合わせられる。これなら、クサビが入り込む際に床を傷つけないような冶具(薄い2枚の板)を敷いておいて、その間にクサビを打ち込むようにすればよい。板の幅は10cmもあればよく、持ち上げる際には磁石で下の板も一緒に持ち上がるようにする。この板は家具の奥行きに合わせて複数の種類を用意する。30cm、45cm、60cmのものがあればよいだろう。家具の幅は様々だが、45cm~90cmとし、それより幅の広い家具は対象外とする。
とまあそこまで考えておいてなんだが、既存の家具への対応は無理筋のような気がする。前者(専用家具)に専念した方がシンプルでビジネスモデルとしても良さそうだ。隠れキャスターがある家具というのは実は既に存在しているのだが、どれもこれもキャスターの径が小さく、耐荷重が弱い。これでは段差を乗り越えられない。また、段差を乗り越えるときに邪魔になるので、ハカマは前だけにするか、付け外しないしは跳ね上げが可能なものにしておくとよい。
耐震補強については、市販のツッパリ棒でも問題ないと思う。入れ替えても高さは一緒だからだ。ツッパリ棒には、一度固定すると動かさない高さ調整の機構の他に、ツッパリ強度確保のためのネジが付いているはずで、このネジを緩めれば問題ない。

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