2017年2月28日火曜日

国際救助隊


前田建設ファンタジー営業部という有名なサイトがあって、ここでかつて見積もりがされたことがある。このときの結論は、関空に基地を置くロボット救助隊だった。
ロボット救助隊の目的は、災害から36時間以内に瓦礫を素早くどかして生存者を救出するイメージだ。もちろんこれも大事だが、自分の場合はその後の生活維持・復興に焦点がある。せっかく生き残っても、食料や住居や、仕事が無くなってしまっては困る。自立できなければ苦しいだけだ。
まず、想定する災害は、地震、洪水、津波、戦争紛争による大規模破壊(但し終結後)、以上である。そしてやることは、現地の材料をできるだけ使って、壊れた建造物や食料を生産、再生産することである。
例えば、食料を持ってくるのは簡単だが、継続してずっと持って来なければならないのでは復興とはいえない。かと言って、鋤や鍬だけ与えても当面の食料がなければこれも意味がない。段階的に、長期的視野で、自立可能なように誘導する、またそのためのエネルギーや材料もできるだけ現地のものを使い、知恵を中心に提供するのが正しい方向だ。
危急のものは他に考えるとして、ここで考えるのは大きくは二つ。一つは食料生産として農業。これにはセンサ農業、現地の気候風土に合わせた作物計画がある。初期の種や苗、植物工場も有用だろう。津波の場合は塩害除去の仕掛けも必要だ。
もう一つは土木工事のための重機、現地の草木・土を使った構造体の作成だ。前者は良いとして、後者の視点は今までなかったのではないかと思う。これは、日干し煉瓦や焼き物の煉瓦の作成、合板の製造、金属の加工等が相当する。
道路をただ平らに均しただけではそのうち凸凹になる。だがここに煉瓦を敷き詰めれば、耐久性が出て長く持つ。また例え低品質であっても、規格サイズの合板が多数作られれば、住居や道具類の作成ができる。鋤や鍬、てこ、荷車、家具などだ。
これらに加え、現地人への教育プログラムが加わる。復興の標準的な手順として、簡易住居の作成、医療サポート、食料生産、道路整備、嗜好品・綿花の生産、本格的な住居復旧、・・・とマニュアルを整備し、またこれを現地に合わせて修正し、可能ならシミュレーションしてみる。そういったノウハウを現地の言葉で教える、また受講者が更に講師になる教育循環の仕組みを考える。
現地の言葉が分かる人材が簡単に確保できるとは限らないから、通訳ソフトと大量の端末が必要になる。また初期においては大量の燃料や食料は何れにしろ必要なので、これも確保する。医薬品や医療器具も同様で、当分は供給に頼ることになる。
従来の支援策に比べると、実物の割合が少なく、ノウハウ提供の割合が多くなる。従って横展開も容易であり、またノウハウは使われる度に洗練されていくから効率もどんどん上がっていく。ノウハウはAIに溜まるような時代になるかもしれない。そうすれば、通信手段の確保と端末の配布だけで、後は現地にお任せ、ということもできるようになるかもしれない。
そういった支援こそが、今後求められていくものではないか、と思う。

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