2017年2月16日木曜日

こどもプログラミング


小学生でプログラミングを教えようとする動きがあるらしい。IT好きとしては歓迎なのだが、どうも中身を見ていると不安になる。
ScratchなどはPascal型の言語である。今の教養課程は知らないが、プログラミングを先に学んでしまうと、近年のクラウドやAIなどの理解の妨げにならないだろうか、というのが不安の根拠だ。既に時代はノイマン型から離れつつあるのだから、最初からノイマン型特化のプログラミングというのはどうかと思う。
一方で、複数の言語をいきなり多く習うというのはさすがに困難だろう、というのも分かる。どちらがより基礎に近いかと言えばPascal型だろうというのも分かる。どこかで折り合いを付ける必要はあるのだろうが、それでも釈然としない。ではいきなりPythonか?他の言語の基礎すらできていない小学生が、Pythonが取り入れている概念の全て(でも多くでもいいが)を理解できるだろうか。
また、プログラミング言語を小さいうちに覚えることが、効率や効果の点で重要なのかも疑問だ。若いうちに才能を発揮して有名になって、会社を興して、騙されて全部権利を取られた、などという話もある。単独で見るのではなく、全体バランスから見てその時期が本当に良いのかどうかは、検討されるべきだ。
もっと言えば、そもそもプログラミングができなくても問題ない時代が来るかもしれない。それこそスタートレックの世界のように、コンピュータに音声で相談すると答を出してくれるような時代が、あと20年で来ないとは限らない。もちろんそれで全てが無駄になるとは言わないが、他のことをする時間を削がれた点では悔いることになりかねない。
自分の場合、計算機工学を大学で習っていたから余計にそう感じるのかもしれないが、プログラミングよりも、アーキテクチャやアルゴリズムの勉強を先にすべきではないのかな、と思う。

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