2017年4月2日日曜日

SIは人工知能化できるか


顧客先のオンプレミス、かつセキュリティでガチガチならば無理かもしれない。だがパブリッククラウド上、VPNで外部から操作可能、などの場合に限れば、SIの手順は全てオンラインで可能だから、AIが操作することもまた可能なはずだ。もしそうでなくても、顧客システムにIP-KVMを繋ぎ、携帯電話でローミング接続することさえ許されれば、現地へ行くのは素人でもよいことになる。
通常のプログラミングでも一見可能な気がするし、事実特定の状況では可能だろう。それをわざわざAIにする意味があるとすれば何だろうか。
例えば、立ち上がりのタイミングで一瞬エラーを吐くがその後は問題なく安定する、とか、立ち上がる複数のミドルの順番がずれる、あるいはソフトやミドルのバージョンで細かく表示やオプションが変わる、ということはよくある。だがプログラミングのためには、それをいちいち全て拾ってやらなければならない。
何が正常で何が異常か、というのを、コンソールの画面だけ見て判断する作業は、コンピュータ作業であるにも関わらず、けっこうアナログな作業であると言える。キチンと突き詰めれば論理的記述は無論可能なのだが、その作業量と将来的な変更の可能性や変更の頻度を考えれば相当に無駄な作業で、結果として職人芸になってしまっている。こういうところをAIに教えるのだ。
いい加減な手順書でも良いのでとりあえず作成し、最初はちょっと教えてやれば、その後はAIが自動で手順を学んでくれる。例えばメンテナンス後の再起動とか、ミドルのバージョンアップでの手順修正などにおいて、勝手にAIが判断してくれ、場合によってはやり直してくれたりする。
実際の人物のSI作業の様子をAIが学習することも可能かもしれない。システムが出すエラーと、それに対応するSIerの修正を学習するようなものだ。ベテランなら素早く見つけるが、その論理は飛躍しており、また失敗も数多いはずだが、これを学習によって素早く見つけられるようになれば、通常の運用だけでなくアクシデント対応にも、AIが使えるようになるだろう。

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