折り畳み自転車でもタイヤ自体は普通折り畳めない。だから小さくしようと思えばタイヤを小さくしなければならない。だが自転車はタイヤが小さいと乗り心地が悪くなるため、ある程度は必要である。この矛盾を解決するにはどうしたらよいか。
なぜ乗り心地が悪くなるのか、それがこの問題の鍵だ。その理由は、地面の凹凸への追従である。タイヤが小さいと地面の凹凸への追従が悪くなる、タイヤが最初に凸部分に触れるところと地面に接するところの距離は、タイヤ径が短いほど短くなり、前輪が凸に合わせて上昇する速度が急になる。そしてタイヤ半径に対して一定以上の比率の高さになれば乗り越えられなるなる。これがその理由だ。
であれば、タイヤのうち、地面に接するところ近辺さえ上手く作れば、それ以外の部分は要らないという計算になる。そんな方法を幾つか考えてみた。
●キャタピラ折り畳み自転車
通常のキャタピラは、地面に接する部分が斜めに上がっている。これが地面の凸部分への乗りあげをスムースにする。戦車のキャタピラを居目地して頂くと分かり易い。あの真ん中の水平部分を短くし、全体で縮尺を自転車サイズにしたもの、と考えればよい。
さて、この自転車の欠点を考えてみると、キャタピラ部分の構造がかなり複雑になるので、精度や強度の不足、あるいはゴミ挟みに対する耐性が低下する。駆動伝達(ペダルの力をキャタピラにどう伝えるか)も問題になるだろう。
●蛇腹タイヤ折り畳み自転車
扇子のような折り畳み構造を作っておく。通常のセンスは120°程度開くが、これを360°開くようにしてやり、固定すればタイヤになる。泥除けも、折り紙のように折り畳んでしまえばよい。
●超分割タイヤ折り畳み自転車
スポークが32本あるとして、この一つ一つが分割できるようにする。スポーク一組にはタイヤが1/32だけついていて、各々は独立している。組み立てて初めて繋がるように見える。
●二重円周折り畳み自転車
タイヤ径が26インチとして、これを10インチの内周円とそれ以上の外周円に分割する。内周円はフレームに固定されていて、外周円との間はボールベアリングで繋がっている。このボールベアリングに、分割された外周円をはめ込んでいくことで完成する。後輪は内周円と外周円を直接接続する。
●三連小型タイヤ自転車
キャタピラ式の応用で、前・中・後ろのキャタピラの代わりに、小型タイヤを割り当てる。この際、中は5インチ程度のもの一つでよいが、前と後ろはもっと小さなタイヤを複数設ける。ちょうどキャタピラの板を外して、個々のホイールだけで走るイメージになる。
何れも機構が複雑になってしまうのが困りものだが、小さくなっても快適であれば、少々高くても売れるのではないか。
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