2017年4月5日水曜日

EMSは効くのか


巷では、効く・効かない、両方の主張が入り乱れている。ネットを眺めていると、効かない派がやや優勢のようだ。少し調べてみたのだが、「なぜ効かないか」について論理的に納得の出来る説明をしているものには見当たらなかった。
まず、EMSの定義から。Electrical Muscle Stimulationの略で、神経が起こすのと同等の電気刺激を外部から送ることで、筋肉を強制的に収縮させる機械のことだ。筋肉は言わば騙されて収縮するわけだが、動作原理(電気刺激)は同じだから、収縮すればそれなりにエネルギーを消費する。
電気刺激は充分に安全率を掛けているため、刺激としては弱く、筋肉が付くほどの効果はない、と結論付けているところが多くあった。だが、弱い刺激だからと言って効果がないというのは早計だし、最初はやった後に筋肉痛になった、などのレポートも多くある。結論を急ぎすぎだ。
また、1日10分でよい!などとする謳い文句については逆に疑問がある。確かに1日10分、特定の部位が動くことは確かだろうが、普通の運動と違って刺激した筋肉しか動かないのだから、腹筋10分とEMS10分で後者の方が効果がある、というのはおかしい。そのため、その謳い文句に従って使った結果、思った効果が出ない、と感じるのも自然に思える。
ランニングで、足しか動かさないような人はいない。腕も振るし、腰もひねるし、部位によって程度の差はあれど、全身の筋肉を使っている。エアロバイクはもっと足に集中してはいるが、上半身を全く使わないということはなく、安静にしているときに比べれば相応に使っている。これがEMSと決定的に違う点だ。
目的にもよるが、一般的に効果があるとされている運動量、例えば軽く汗をかき、息が少々荒くなる程度の運動を1日30分、2日に1回のペースでやる、というのと同等の運動量をEMSで得ようと思えば、腹筋ベルトだけでなく体中にEMSをべたべたと貼り付け、30分動かしてやる必要があるはずだ。結局これも、量的問題だと言える。
だから、本当にEMSだけでダイエットしようと思うなら、全身サウナスーツのようなものを使い、装着したら空気を抜いて密着させ、更には寝た状態でよいから30分は動かす、というような商品が必要だ。これがあれば、ダイエットにも筋トレにも確実に効く。「EMSは効かない」などと言う人は居なくなるだろう。

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