2017年4月21日金曜日

トリチウムの有効活用


NHKのテレビで、福島第一原発の汚染水の話をしていた。既に何十万トンという量に達しているそうだ。
恐らく、地下水の問題が解決すれば、冷却水としての再利用の比率が増え、増加量は減っていくだろう。また、トリチウムの半減期は12年ほどなので、他のものよりは遥かに扱いは楽なはずだ。また、簡単安価な濃縮分離技術も開発中だ。そのうち、初期のものから順に、分離して放出できるようになるだろう。
だが何といっても量が凄い。他に消費の道がないかと調べてみると、蛍光発光があることを知った。昔、時計の夜光塗料のような使い方がされていたらしい。また海外では光るキーホルダーとして売られているものもあるそうだ。光量は弱いそうだが、12年補給なしに光り続ける、というのであれば、色々と応用が考えられるのではないか。
代表的には、防災に使うというのが考えられる。大規模停電時の補助に使う。例えばエレベーターの天井に仕込んでおくと、止まっても真っ暗にならない。また避難道具の表面に仕込むことで、停電しても間違わずに持ち出すことができる。家具の角に貼っておけばぶつかることもないし、階段のステップに貼っておけば普段から転ばずに上り下りできる。
太陽電池での発電は難しいだろうが、秘策はある。自発光するなら始めから太陽電池に貼り合わせておける。そうすれば折り畳んで重ねて密閉することができる。実は太陽電池の構造は薄く、大部分の厚みは基板(基材)の厚みなのだが、積層して固まりとして使うのなら基材は薄くてよい。つまり、通常の乾電池のような形状にすることが可能だ。避難道具の中に乾電池がある場合、定期的に交換する必要がある。これが不要になるというわけだ。
また、トリチウムは液体なので、濃縮したモノが半減期を迎えたら、再度濃縮して密度を保つことができる。このため、原発などでトリチウムを作り続けても、消費が一定量あれば問題ない。このためには、先ほどの太陽電池において、トリチウムは液体で保持しなければならない。つまり、トリチウムのプールに、蛍光剤を塗った太陽電池パネルを突っ込むような形にする。
発電能力は低いから、いくら折り畳んで高密度化しても太陽には敵わないとは思うが、建物の中にも設置できるし、夜でも発電量は安定している。非常時用、ベースロード、僻地用、などにおいては、太陽電池より使い勝手がよい場面もあるだろう。

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